ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 世界と一緒。 ( No.33 )
日時: 2011/12/18 17:50
名前: 結城柵 ◆ewkY4YXY66 (ID: khvYzXY.)
参照: 一回全部消えて、非常に死にたくなった。

【愛したっていいじゃないか】

 分厚いカーテンに遮られた太陽光とは違って、鳥とセミの声は薄っぺらい窓をすり抜け、部屋に進入してくる。
ああ、うるさい。苛立ちに任せてカーテンを開けて、眩しい光に目を細めた。
どんなに願っても、また朝が来てしまう。

 苦しい。悔しい。辛い。痛い。

 異常者、と投げつけられた、ナイフのような言葉が。
大好き、と笑いかけてくる世界が。
苦しくて、悔しくて、辛くて、痛くて。胸を引き裂きたい衝動にかられる。
 ずきり、と左腕が鈍く痛んだ。床に赤い花が咲く。
ああ、僕の血もこんなに鮮やかなんだ。おかしいね。
 どこか変わったかって言ってたよね。うん、僕は変わったよ、亜蝉。
世界を守るために生きるようになったよ。けど、それが全部僕のエゴだって認められるようになってしまったよ。
でも、それでも、僕は世界を守るよ。そのために、僕は何十回、何百回と自分を殺してきたよ。そのたびに僕の心は、真っ黒な血を流したよ。ああ、きっと世界の血は鮮やかで綺麗なんだろうな。見たいな、飲みたいな。愛してる、細胞単位まで愛してるんだ。ねぇ、誰か。誰でもいいよ、答えてよ。


これは、愛ですか?