ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 世界と一緒。 ( No.39 )
日時: 2011/12/24 15:36
名前: 結城柵 ◆ewkY4YXY66 (ID: khvYzXY.)
参照: 久しぶりの本編更新。

【幼少期のトラウマは簡単にはぬぐえない 1】

 真っ暗で、蒸し暑かった。
うるさい蝉の声にまぎれて、女の子たちの高いなきごえが響いていた。
 自由を奪われた四肢の先は冷たくて、もう感覚がなかった。
視界を何かによって奪われているせいか、聴覚はやたらに研ぎ澄まされていた。
「ほら、みてごらん、竜胆君。綺麗だろう?」
 聞いたことのある気がする声と、急に明るくなった視界に、目を細める。
「せ、か…い?」
 大好きなその声が、困惑したように私を呼んだ。
それと同時に、ぬるりと、…ねっとりとした手つきで体が撫でられた。
「り、ん…ど…っ」
 助けを請う。
ねっとりとした手つきは、止むどころか激しさを増して。
「っ…あ、…や、ぁっ…」

気持ち悪い、気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪いっ!

「…せかい」
 真っ直ぐな、青い瞳と、視線がぶつかった。
じっ、とただ、みつめているだけの、見慣れた青の奥。
隠しきれない、熱が見えて。

「ゃっ…あっ…い、や…」
誰か、誰か。


「ゃ……、いやぁぁぁぁっ!」