ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 世界と一緒。 ( No.40 )
日時: 2011/12/27 19:51
名前: 結城柵 ◆ewkY4YXY66 (ID: khvYzXY.)

【幼少期のトラウマは簡単にはぬぐえない 2】

「ゃ……、いやぁぁぁぁっ!」

 朝ご飯を用意してたら、二階から世界の絶叫が聞こえた。
何事だ、と僕は階段を駆け上がる。
「世界っ!?」
 乱暴に世界の部屋の扉を開ける。鍵はかかっていない。
部屋を見回すと、ベッドの隅にうずくまる白。
頭を抱えてうずくまる世界の四肢は、がたがたと音をたてそうなほど震えている。
「世界?」
「っ……!?」
 僕の声に、世界はおびえたように半歩分ほど後ずさった。
顔をあげた世界と、目が合う。
澄んだ闇色の瞳には、あの時と同じように、恐怖に満ちている。
「世界…大丈夫。“今度こそ”僕が守るから」
 震える世界を、そっと抱きしめた。
あの時、できなかったから。
今度こそは、と決めたから。