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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 世界と一緒。 ( No.43 )
- 日時: 2011/12/30 06:56
- 名前: 結城柵 ◆ewkY4YXY66 (ID: khvYzXY.)
【抱きしめるにはあまりにも】
保健室の扉を、乱暴に開けた。先生はいないみたいで、少しだけ安心した。
世界をそっとベッドに寝かせると、小さく息を吐いた。残念ながら、あまり体力はあるほうじゃないんだ。
「ゃ…、い、や…」
青い顔をした世界は、相変わらず何かにうなされるかのように、いや、と呟き続けている。
倒れたときに小さく呟かれた僕の名前。
「ごめん、ね…」
触れたくても、触れられない手を、見つめる。
世界に触れるには、抱きしめるにはあまりにも、僕は汚れてしまったんだ。
「たす、け…、りん…ど…」
…ほんと、世界は。
ひどいなぁ、まだ、僕を呼ぶんだ。
でも、僕が世界の声にあらがえるわけなくて。世界を抱きしめた。
抱きしめるには、あまりにも、弱々しい肩。
「大丈夫…大丈夫だよ、世界…。僕が、守る、から…」
届くわけがない、僕の戯言(ことば)
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