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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 世界と一緒。 ( No.46 )
- 日時: 2012/01/03 12:01
- 名前: 結城柵 ◆ewkY4YXY66 (ID: khvYzXY.)
- 参照: 今年も鬱々と更新していきます。
【つまり、意味はないよ 1】
「おはよ、虚木。…世界ちゃん大丈夫か?」
次の日の朝。教室にただよう、どこか気まずい空気の中、星野が口を開いた。
ああ、やっぱいい奴なんだ。空気は読めないけど。
僕は、そんな彼女に柔らかく笑む。
「うん。今日は、休みだけど」
自分の声は、思っていたよりも弱々しくて、聞いていて痛々しかったに違いない。
星野が、なんともいえない表情で僕を見ている。
どうしたんだろう、僕。別に何かあったわけじゃないのに。
「珍しいね。竜胆くんが世界ちゃんと離れるなんて」
刻野までもが、険しい顔をして呟いた。
あぁ、一緒に休む、なんて手もあったのか。世界に干渉しないようにという一心でそこまで頭が回らなかった。
今更気づいた、回転の悪い頭に苦笑する。
と、同時に、世界と離れようとしている自分がいることに驚いた。なんで。おかしい。
「何かあったの…?」
心配そうに首を傾げた刻野に、星野も同調した。
僕を見つめる、その瞳に映る色が、同情ではないといいな。
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