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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 世界と一緒。 ( No.58 )
- 日時: 2012/01/11 11:37
- 名前: 結城柵 ◆ewkY4YXY66 (ID: khvYzXY.)
【訪問者 1】
竜胆からの通話が切れ、ぼんやりとしていると、玄関のチャイムが鳴った。普段は竜胆が出るのだけど、今日は竜胆がいない。急いで階段を下りて、ドアホン越しに相手を確認する。
「…はい?」
『あ、こんにちは、依代さん』
ドアの前に立っていた男の子が笑った。見覚えのある顔に、誰だっけ、と首を傾げた。クラスメイトじゃない、ということだけはわかる。
「あ。…理くん?」
そんな中、思い当たる人物が一人いた。中学の時の、同級生の男の子だ。
「覚えていてくれたんだ。嬉しいな。具合はもう大丈夫なの?」
どうやら、本当にそうだったらしい。柔らかく笑った理くんに、再び首を傾げた。どうして私の家を知ってるの、とかどうして具合が良くなかったと知ってるの、とか言いたいことは色々あった。
「うん、平気。でも、どうしてここに?」
色々ありすぎて、わからなくなってきたから、一番簡単な質問をしてみた。
そうすると、理くんはまた、ふわりと笑った。
「竜胆くんがいなくて、寂しいんじゃないかと思って」
理くんの言葉に、心臓が跳ねた。なんで、そのことを知ってるの?
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