ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 悲哀と世界。 ( No.6 )
日時: 2011/11/28 20:32
名前: 結城柵 ◆ewkY4YXY66 (ID: khvYzXY.)

【男一人で可愛い店は拷問】

 昨日の雨が嘘のように晴れていて、暑い。
けど、今日は世界への誕生日プレゼントを買いに行く日。
普段は一緒に買い物に行くけど、さすがにプレゼント選びには同行されたくない、と不満気な世界を置いて一人街をだらだらと歩く。
 世界のお気に入りの雑貨屋に入ると、クーラーがきいていてほっとした。
店の中は女性ばかりで、男の僕は浮いて見えるんじゃないかと思ったけれど、バイトらしい店員さんが女の子と間違えて商品を勧めてくれたので、浮いていないようで安心した。安心はしたけど、複雑な気分にはなった。
 世界が好きそうな可愛らしいぬいぐるみのコーナーに足を運ぶと、商品の棚を見る僕以上にういた存在がいた。
若々しく、可愛らしい空間にうきまくりのその人を見て僕は迷わず近づいた。
「おじさん、お久しぶりです」
 最初は誰かわからなかったらしく、怪訝そうな目で僕を見ていたけど名乗ると、おじさんは真っ青になった。
僕はそれを見て思わず小さく笑う。
「今からお話いいですか?少し待っていてください」
 有無を言わさずそう言うと、世界の好きなキャラのぬいぐるみを二・三個持って会計に行く。
 
ふふ、世界喜ぶかな。