ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 世界と一緒。 ( No.61 )
日時: 2012/01/11 20:50
名前: 結城柵 ◆ewkY4YXY66 (ID: khvYzXY.)
参照: 世界と神様のはなし。

【天然娘と神代理 1】

 理くんを、客間へと案内した。この家にいるのは、基本は、私と竜胆だけ。お客様もいないから、普段は使わない部屋。
…普段はいないはずの、竜胆じゃない男の子が、家にいる。そう思うと、なんだか胸の奥が痛んだけど、気が付かないフリをした。
だって、竜胆も他の子といるんだもん。
「ねぇ、理くん、竜胆は今、どこにいるの?」
 お茶を出さないのは、さすがに失礼だろうと用意した紅茶を入れながら、問いかけた。理くんは、す、と瞳を細めて私を見た。
冷たい瞳に、思わずびくり、と体をすくめた。その拍子に紅茶をこぼしかけた。危なかった…。
「依代さんも、竜胆くんなんだ?」
 彼の方から、教えてくれると言ったのに、なにを言い出すんだろうと首を傾げた。
「君たちってさ、お互いに依存してるの?依代さんは、苦しくないわけ?ねぇ、俺にしとかない?俺なら、依代さんを幸せにするよ?」
 理くんは、一息にそう言うと、整った顔で笑った。何を言い出すんだろう、と私はただ、首を傾げるしかできなかった。否定や肯定をするだけ、ばからしい気がしたから。