PR
ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 世界と一緒。 ( No.62 )
- 日時: 2012/01/12 18:42
- 名前: 結城柵 ◆ewkY4YXY66 (ID: khvYzXY.)
【天然娘と神代理 2】
「それよりも、竜胆くんの方がいいの?」
馬鹿らしい、と相手にすらしていない私の沈黙を、どうとったのかはわからないけれど、理くんは勝手に話を進めていく。
なんだか、とても不快に感じてしまって、気がつく。竜胆とはとても話しやすかったこと。きっと、彼が気を使ってくれているんだ。そう思うと、なんだか、頬が緩んだ。
「…ね、依代さん、聞いてる?何考えてるの?竜胆くんのこと?」
急に不機嫌そうな声になった理くんの言葉に、否定も肯定もせず紅茶を飲む。彼は、何を言いたいんだろう?
じっと彼を見つめると、何?と細めていた目を、笑みへと変えた。現金な人だなぁ、と小さく笑った。
「あのね、理くん。どんなに竜胆を悪く言っても、私は理くんのものにはならないよ?」
私の一言に、理くんは驚いたように目を見開いた。それから、すぐに目を細めると、なんで?と呟いた。
その声が、とても不機嫌そうだから、ああ、図星なのか、となんだかため息を吐きたくなった。
「…君たちって、馬鹿なんだね」
理くんは、びっくりするくらい冷たい声で言った。その馬鹿、がなにについてを言っているのかは、私にはわからなかった。
PR