ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 世界と一緒。 ( No.68 )
日時: 2012/01/27 18:49
名前: 結城柵 ◆ewkY4YXY66 (ID: khvYzXY.)

【神様は本当は無知なのですか?】

「ほら歌えよ、虚木」

 ぐりぐりと頬に押しつけられる、黒い物体。痛い。わりと痛い。

何の真似だ、と星野に問いかければ、でぃすいずまーいく!なんて、わかりきった、そしてなんだかうざったい返答。

「さぁ、歌うんだ、ほ『ピルルルル、ピルルルル』ら…電話だ」

 じりじりと近づいてきていた、星野の携帯が鳴った。

星野は舌打ちをしてたけど、正直助かった。

「はい。ん?…はぁ?…、ん、伝えとく、ばいばーい」

 星野が携帯を閉じた時、いやな予感がした。いやしかしだな、そんなわけ…。

「虚木、悪いニュースと悪いニュースどっちがいい?」

「悪いのしか無いのかよ」

 僕の突っ込みに、テヘペロと返してきやがった。わりとむかつくよね。

が、それは表に出さず、続けるように促した。

「あのね、神代のバカが虚木の家に入ってったのを見た子がいるの」

 はい、と渡された携帯の液晶には、愛しのマイホームに入っていく神代が映っていた。

「どうするの?竜胆くん」

 刻野がいつの間にか、僕の正面にいてびっくりした。

しばらく、落ち着いてから刻野を見て、決まってる、と口元を歪めた。