ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 世界と一緒。 ( No.73 )
日時: 2012/01/24 17:50
名前: 結城柵 ◆ewkY4YXY66 (ID: khvYzXY.)
参照: 最近、神城が良い奴に見えて困る。

【少年二人 1】

「やあ、竜胆くん、遅かったね。俺は、依代さんに会いに来ただけだよ」
「なんで僕の許可なしに、世界と会ってるの?」
「依代さんに会うのに、君の許可がいるの?君の物じゃないのにさ」

 あざ笑うかのように、俺は口元をにやにやと歪めた。もちろんわざとだけれど。
俺は、彼が嫌いなわけじゃない。当然、俺は彼女が好きだから嫉妬はするし、なるべく彼の邪魔はしたい。けれど、嫌いなわけではないんだ。
けれど、彼はきっと、このままでは彼女を傷つける。傷つけるどころか、取り返しのつかないことになりかねない。それだけは、たとえ、彼女がそれを拒んでいなかったとしても、避けたいんだ。好きな人に傷ついてほしい人間なんて、いないはずだ。

「僕の物だよ」

 迷うことなく答えた彼に、ため息をついた。信じらんない。睨んでやれば、彼は首を傾げた。まるで、なにか問題でも?と言っているかのようで。

「ふぅん?所有物って意味?彼女を物扱い?ま、そういう意味じゃないのはわかってるよ」

 いったん言葉を切って、彼をみる。彼は、俺のよく回る口に対して、不快そうに眉を寄せていた。実に、彼らしい反応で、少し笑った。