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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 世界と一緒。 ( No.82 )
- 日時: 2012/02/15 18:33
- 名前: 結城柵 ◆ewkY4YXY66 (ID: khvYzXY.)
【僕は、人間】
「おはよ、虚木!大丈夫か?」
学校へ行くと、相変わらずのハイテンションで、星野が出迎えてくれた。刻野も、片手をあげて挨拶をしてくれた。
「平気」
「まぁ、だろうね。それよりも知ってるか?神代が不審者に襲われたらしいよ。気を付けろよ?」
僕が、仮病だったと知っていたようで、星野はにや、と笑い、新しい話題を提示してきた。不審者、が自分だとわかっているから、苦笑いしかでてこない。
「でも、運よく親戚に助けられたみたいだけど」
残念だったな、と星野が茶化す。うん、本当に残念。死んだと思ってたのに。やっぱり、確実に殺しとくべきだったかな。首の骨を折るくらい、難なくできるのに。
そんなことを考えている自分に、嫌気がさした。人を殺しちゃだめだ。なのに、それが当たり前になっている僕が嫌だ。世界を守るなんて言い訳は使えない。僕はおかしい。快感と自己満足のために、人を殺せてしまえる。嫌だ。嫌だ嫌だいやだいやだいやだいやだ。
「虚木?」
誰かの声。虚木って僕?誰?僕は誰?何?あれ?
「おいっ!虚木!」
「竜胆くんっ!?」
「っ!りんどー!」
遠くから、声がする。
僕はまだ、人間だっけ?
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