ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 世界と一緒。 ( No.83 )
日時: 2012/02/16 17:23
名前: 結城柵 ◆ewkY4YXY66 (ID: khvYzXY.)

【異常・正常】

「知ってるよ。竜胆が、私を縛ってることくらい。竜胆の愛情が、一方的な自己満足だって。竜胆が、みんなを殺したってくらい。

ねぇ。

返してよ。返して。私を、返して」

 投げつけられた言葉に、返す言葉を、僕は持っていなくて、ただただ立ち尽くす。冷たい世界の瞳と、客観的な視点に、あぁ、これ、夢なのか、と気づいた。
夢の中の、少し大人びた世界は、いつものように泣くわけでも、かといって怒るわけでもなく、淡々と僕を責め立てていく。真実を、投げつけてくる。

ああ、うん。もっと言ってよ。

 別に僕は、言葉責めに興奮を覚えるようなマゾヒストなわけじゃない。けど、現実の世界は、僕を肯定したとしても、否定なんかしてくれないから。
否定されて嬉しいなんて、おかしな話だけど。嫌なんだ、肯定されること。誰か、否定してくれよ。お前は、異常なんだ、って。
「竜胆っ!」
 現実の子供っぽい世界の叫び声。それに、現実へと引き戻された。
目を開けると、泣きそうな顔で、世界が僕を見つめていた。あぁ、好きだな。そのカオ。殺したくなってくるよ。
大好きなのに。…大好きだから、殺したくなる。ぐちゃぐちゃにしたくなる。