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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 世界と一緒。 ( No.89 )
- 日時: 2012/03/18 15:06
- 名前: 緑川祐 ◆ewkY4YXY66 (ID: khvYzXY.)
- 参照: 元、結城
【意外と、世の中は狭い 1】
ため息を吐きながら僕は、柔らかなベッドに腰を下ろした。亜蝉は、スーツの上着を脱いでいる。へぇ、そんなに長引く予定なんだね。面倒だなぁ……。
僕たちがいるのは、いつかのビジネスホテルの一室。ありもしない噂をたてられていたら嫌だなぁ、ともう一度ため息。これで僕が女なら、売春とか疑われるんだろうけどさぁ……。
「さて、竜胆君。話というのは、私の甥のことなんだけどね。ずいぶん、世話になったみたいじゃないか」
目の前のソファーに、乱暴に腰を下ろした亜蝉。彼の発言の意味がわからず、思わず首を傾げる。亜蝉の甥なんて、知るわけがない。心当たりは、ないことはないけどさ。
「わからないかい?理君だよ。神代理君。知っているだろ?」
意味がわからず、眉を寄せた僕をみて、亜蝉が付け足す。その声には、何か冷ややかなものを感じた。けど、相手が相手なので、特に何も思わなかった。
それよりも、どういうことだ。神代が亜蝉の甥?つまり、あいつは世界の従兄弟、ということになる。思ってもみなかった展開に、思考がややラグる。パニックになるほどではないけれど。
「っくく……」
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