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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 世界と一緒。 ( No.92 )
- 日時: 2012/03/26 08:16
- 名前: 緑川祐 ◆ewkY4YXY66 (ID: khvYzXY.)
【とある夏の、とある思い出 1】
「ゆうかさん、こんにちは!あぜみさんとせかいはどこ?」
黒髪の少年が、庭で水をまいていた若い女性に、ぎゅうっと抱きついた。片手には、カラフルな紙袋が握られている。
「こんにちは、竜胆くん。ご挨拶できて、偉いわね。それは、なあに?」
女性は、手を止めると少年の頭を、軽くなでた。その表情には、愛情が感じられた。
「これ、せかいに!ね、せかいはどこ?」
はい!と少年が渡した袋を、女性はありがとうと言って受け取ると小さく首を傾げた。
「世界と亜蝉……?そういえば、見てないわね。誕生日は、みんなでお祝いしようって言ってたのにね」
少年は、ねー、と同意をしめすと、女性から離れて花をみつめた。
「竜胆君」
玄関の方から聞こえた声に、少年はパッ、と表情を輝かせた。
「あぜみさん!」
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