ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: Euthanasia ( No.2 )
日時: 2011/12/04 14:37
名前: 通津村 ◆pDcmvMz4L6 (ID: ZbJw.Qsl)

「なーなー。なんでさ、テストってあんの?」

「将来職に就くときの材料。俺は人を成績とかどうとかで決めるのはどうかと思ってるが、社会はそう決められている」

「うわっ・・・マジコメすんなよな・・・」

「じゃあ、どういう答えを期待してたわけだ」

はぁ、と深いため息をつきながら俺は手元の教科書を閉じた。現代社会と書かれた教科書には付箋がびっしりついている。勉強の邪魔をするなと視線を隣でだべっている彼に向ける。しかし当の本人は俺の視線など気づかないようにうだうだとしゃべっている。一発でこピンを食らわしてやると、彼は額を抑えつつなんだよ、とつぶやいた。

「なんだよって・・・こっちのセリフなんだけど」

「またまたぁ・・・わかってるくせに」

額を抑えながら彼はにやにやと笑って見せる。その顔にどうしても腹が立ったのは俺だけじゃないはずだ。もう一度俺は深くため息をつくと帰り支度を始める。すると隣の彼はさらに口角を上げると、くすっと笑った。目で指図するとはいはい、と言いながら彼は俺と同じく帰り支度を始める。適当に鞄に教科書を詰めるところを見ると、彼を知らない人でも一発で大雑把な性格と把握できるだろう。そんなことを考えながら俺は彼の机を見る。

「おい。牧野。明後日からテストなんだから教科書持って帰れよ」

「明後日、からだろ?明日持って帰れば大丈夫大丈夫」

「・・・すがってきても知らないからな」

鞄の口を閉じるとまだ数人残っている教室を後にした。