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Re:Every day the Killers ( No.1 )
日時: 2011/12/31 14:06
名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)

とある時代、町にはぽつぽつと彼らは出現し始めた。

彼らは尋常ならぬ行動力を持っており、人々の注目の的になっていた。

その中の一人でもある、巡 啓一という青年がいた。




その青年の職業は———"殺し屋"

「今日も依頼なしかぁ。」

夜。

彼、巡啓一は、自室のベッドで呟いていた。

「今の時代、殺し屋なんていらないのかなー。」

一般的に見れば、啓一の外見は只単にどこにでもいてそうな青年。

だがしかし、啓一は人と違うことがある。



それは、職業が"殺し屋"であること。

もう一つは、彼がとても天才ということだ。

学校においては、いつも成績がよく毎年学年トップになるという超人でもある。

なぜこんな一般人が"殺し屋"になったのかは、本人も分かっていない。

今は自立し、親ともコミュニケーションをとっていない。

それに加え、「頭がいい」ということから、学校の生徒たちには嫉妬され友達もいないという状況だ。

もしかしたら、そういった"孤独"が、彼を"殺し屋"にしてしまったのかもしれない。



——突如鳴り響く電話の音。

「んー、こんな時間に一体誰だ?」

只今の時刻、夜中の2時。

普通の人間ならこんな時間はとっくに寝ている時間だが、依頼の電話だと分かった巡は少し口調を変える。

「はい、もしもし」

先刻とは違う、凛とした声で電話に出る巡。

電話をかけてきたのは、20歳くらいの若い男性だった。

「君が巡啓一さんですか?」

「はい、そうですけど…」

「あの…依頼があるのですが…」

「了解しました。」

めったにこない巡への依頼は、やはり殆どが「誰かを殺してほしい」という依頼だ。

巡もまだ若いため、あまり目立とうとせず住所などは明かしていないのだが、それでもやはり嗅ぎつけてくる輩が多い。

「では、報酬は口座に振り込んでおきますので…」

「分かりました、ありがとうございます。」

ガチャ、と電話の受話器を置く。

——電話の内容は、ある大富豪を殺してほしい、という内容だった。