ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: Every day the Killers ( No.13 )
日時: 2011/12/31 13:47
名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)

                   ……

金銭の館の扉が開き、中から眼鏡をかけた黒髪の釣り目少年が出てきた。

少年は巡のほうを見ると、巡のほうへとゆっくり歩いてきた。

そして、巡の耳元で、一言。

「俺の親父、殺してくれるんだろ?」

「!?」

一瞬にして寒気が襲った。

少年の声は、先日電話をかけてきた若者の声と同じものだった———

「おい、待てよ!!」

反射的に少年に声をかけた巡。

少年は振り返り、不適な笑みをして何処かへ行ってしまった。

「どういうことだよ……自分の親を殺してほしいってのかよ………」

その場で、頭を抱えて考えてしまう巡。

「だ、大丈夫かい?」

それを心配したのか、通行人のお爺さんが声をかけてきた。

「あ、大丈夫です……」

「そうかい?ならいいんだが……」

お爺さんは安心すると、歩いて何処かへ行った。

——どうして実の子供が親を殺してほしいなんて言うんだ?

——反抗期か?…いやしかし…

——それに、あの大人のような声はどうやって出したんだ…?

色々な思いが頭の中を駆け巡る。

——しかし、任務は任務だ。しっかり遂行しなければ…

結局、任務は遂行しなければならないので、金銭を殺すことに決めた。



                  ……
夜もふけてきた頃、館の近くの森の中に、巡はいた。

———ライフル銃を持って。

しっかりと狙いを定め————金銭を撃った。米神を狙って。

案の定、金銭は床に倒れこみ、周りにいた執事やメイドたちが慌てて金銭に寄るのが見えた。

「———これで…いいのか?」

任務は成功したものの、何故かは分からないが、心の中にモヤモヤしたものが浮かんでくる。

「これじゃあ…アイツの思うままだしな…」

何かしようも、何も思いつかず、結局家へと帰っていった巡だった。