ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Every day the Killers ( No.17 )
- 日時: 2011/12/31 13:52
- 名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)
……
「いい!?啓一君!」
「…………あぁ。」
「分かってないでしょ!!」
屋上で、巡を叱る美優、怒られる巡。この光景を見ていると、まるで子供がお母さんに怒られているようだ。
「っ…!何回言えば分かるんだよ!!分かったって!」
半分キレ気味に言い返す巡。どうやら何回も言わされているようだ。
巡に半ギレされても美優はものともせず、まだ同じことを言う。
「分かってないでしょ!!」
「だ〜か〜らぁ!!!お前めんどくさいな!」
キレているときはつい思ったことをすぐ口に出してしまう悪い癖が彼にはあるのだが、やはり美優には効かない。
「あ!そろそろチャイムが…じゃあ啓一君、しっかり反省してるんだよ!」
「なっ、お前俺を置いていく気か!?」
今、彼は動けない状況にある。何故かというと…
縄で身体を縛られているから。それも、何重に。
「っていうか…何でお前縄常備してるんだよ!!」
縄を常備する高校生…普通はいないだろう。…もしかしたら、実は美優はSかもしれない。
「いいから解けぇぇぇ!!」
しきりに美優に言う。……が、美優は無視、屋上から出て行ってしまう。
その際、発した言葉———
「啓一君は、頭がいいから授業なんて出なくてもいいんだよね?」
その言葉が、巡にとって一番頭に残った言葉だった。
……
「ったくよー…美優もやっぱりアイツらと一緒じゃねーか…」
ポケットの中から自前のナイフを取り出し、縄をいとも簡単に断ち切る。
「アイツも俺のこと妬んでんだろーな…まったく…どうして俺は好かれないのかねぇ。」
——やはり"殺し屋"は永遠に"孤独"なのか…そんなことを思っていると、扉が開いた。
「けっ、啓一君!?」
「………美優?」
「ど、どうして縄が…」
「俺の運動神経ナメんなよ。」