ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Every day the Killers ( No.20 )
- 日時: 2011/12/31 13:55
- 名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)
……
「美優!」
勢いよく体育館の扉を開ける。しかし中には美優の姿は無く———
和弥の姿のみ、体育館に存在した。
「残念でした♪美優ちゃんはいないよ〜」
子供をからかうように、ふざける和弥。
どうやら巡を挑発(?)しているようだ。
「………美優に何かしてないだろうな?」
とても低い声で訊ねる。誰でもわかるぐらい、怒っている。
「何もしてないよ。…にしてもこの学校は凄いね」
「?」
一般の人から見たら、神專高等学校は偏差値が高く天才高校かもしれない。
——しかし転校できた和弥が言うのは少し違和感を感じる。
「だってさ…特殊な人間がこんなに、いるんだよ!」
両手を大きく広げ、"特殊"という言葉を出す。
「特殊…?一体何を言っている。」
先刻から、和弥しか話していなかったが、ようやく巡が口を開いた。
「だから…特別な力を持った人間がいるんだよ!———例えば、君。」
和弥は指を巡に指し、和弥は黒い笑みを浮かべている。
対照的に、巡は驚いているようだが。
「…俺が…特殊な人間?」
和弥の言ったことを、深く考える。
「いや………俺はそんなんじゃない!」
が、巡が出した答えは、"否定"だった。
「キミが否定したって無駄だよ。ほら、彼らも来たみたいだ。」
和弥がそう言うと、ステージの方から生徒が出てきた。何人も、何人も。
軽く十人は超えている。彼らはステージから飛び降り、和弥の後ろに規則正しく並んだ。
「…お前ら…俺のクラスの…!」
そう、並んでいるのは巡と同じクラスメイトであり…巡を虐めていた男子達だった。
しかし彼らの目に光は無い。どうやら操られているようだ。
巡が生徒たちの顔を確認していると、目が止まった。
巡の目線の先には———美優がいた。
巡は慎也がいるか確認したが、慎也は居なかった。
「おい!美優!!」
巡は美優に叫ぶ。しかし美優に反応はない。やはり彼女も操られている。
美優が操られていることに気付き、巡は和弥の方へ向く。
「おい和弥!!お前、美優に何をした!」
叫びに近い問いを、和弥は涼しい顔で答えを返す。
「何もしてない…って言ったよね?」
「嘘だ!じゃあ何で美優や他の奴らの目には———光が無いんだ!」
巡がそう言った。和弥は何も答えない。
長い沈黙が彼らを包む。———数十秒後、和弥が口を開いた。
「…………はぁ。バレちゃったか♪」
明るく、何時ものお気楽な調子で話す和弥には———普段と違い物凄い殺気を感じた。
「………金銭和弥…お前の目的は何だ———」