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Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.40 )
日時: 2012/01/31 20:29
名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)

                   ……

巡はビビジガンに向かって一直線に走って行き、腰のポケットからナイフを探す。どうやらビビジガンに対しナイフで戦うようだ。

しかし———急に地震か…洞窟内が大きく揺れだした。巡は走っていたためバランスを崩し、転びそうになる。美優とウォーカーは洞窟の壁に寄りかかってバランスを保っている。

対するビビジガンはバランスを崩すことなく、巡より遅めのスピードでこちらに向かってくる。相手はバランスを崩さず、こちらはバランスを崩しているので思うように動けない。

ビビジガンが目前まで迫り、巡は左の方によける。———が、体が勝手に右方向に動き、再びビビジガンの目前に立ってしまい、ビビジガンの拳の攻撃を、まともに喰らってしまう。

「うぐっ……………。」

しかし巡はうずくまらずビビジガンとの間を取り、さっきまで自分が居た場所に目をやると、ビビジガンの左側に岩の出っ張りが在る。きっとその岩にあたったのだろうと巡は仮定する。…がしかし、疑問が一つ。

———なんで俺は右方向に動いた…!?

普通に岩にあたったのならば、右方向へ動くわけは無い。と言うことは、岩が動いた…としか考えられない。大方ビビジガンが岩を操作したのだろう。

しかし、ビビジガンが地形を変えたと言うことは、巡達が不利になってしまう。明らかにバランスを保っていた方が有利だからだ。

「ウォーカー…!アイツの能力は、分かるか!」

ビビジガンの拳を避けながら、それにくわえ横から生えてくる岩も避けながら巡はウォーカーにビビジガンの能力を聞く。がしかし、ウォーカーは首を横に振る。

そんな2人の会話が聞こえていたビビジガンは、巡への攻撃をやめることなく、攻撃の回数を増して2人にこう言う。

「俺の能力は"土"だぜ!…もう理解できるだろぉなぁ!?」

まるでチンピラのような言い方をするのはさておき、これでビビジガンが地形を操っているのは確定出来るだろう。

攻撃スピードがだんだん上がっているので、巡は攻撃をかわすことが困難になっている。———否、攻撃が早いのではなく、巡が遅いのだ。

しかし巡は動くスピード自体変わっていない。ビビジガンが巡の足場を悪化させ、巡のスピードを落としているのだ。このままの状況が続けば、明らかに巡はビビジガンに負けるだろう。

「くそ…!地形を変えるなんて、聞いてねぇよ!」

額に脂汗をにじませながら彼は言う。その状況を見ている背後の二人も額に脂汗をかいている。彼を攻撃している大柄の男は脂汗は一切かいておらず笑みがこぼれている。