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Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.44 )
日時: 2012/02/15 19:47
名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)


                   ……

巡は状況が理解できず、ついビビジガンの方を見てしまう。ビビジガンは先刻と表情が変わって居ない。不思議に思い後ろを振り返る。ウォーカーと美優も表情が変わって居ない。

それに、3人とも止まってしまったかのように動かない。否—————止まってしまったかのようにではなく…本当に止まっているのだ。時間が。

巡はそれが信じられなく、自分の持っている腕時計を見る。時計は長針、短針とともに止まっている。これは普通なのだが、秒針までもが止まっているのだ。巡はこのことを信じるしかなかった。

しかし、何故急に彼が時間を止められるようになったのかは分からない。彼自身も全く理解していないのだ。

再びビビジガンの方へ向き直った瞬間————土塊が直撃した。

「へぶぅ!」

時が動き出したと同時に、巡の額に直撃する土塊。しかし其処まで威力はなく、巡はしりもちをつく程度だった。巡は急に土塊が動き出したので避けるすべもなく、変な声を出して終わった。

しりもちをつきながら額をさすり、呟く巡を、意識が回復したウォーカーが見つめていた。

対するビビジガンは少し首をかしげていた。どうやら土塊の威力がそこまでなかったことに対して疑問を持って居るらしい。

それを感じ取った巡は、

———時間を止めると攻撃力が少し減るのか…………。

と、関心していた。

巡は懐からナイフを取り出すと、美優のところへ行き、岩手錠を破壊する。手首、足首が自由になった彼女は笑顔を浮かべ、巡に感謝の言葉をかける。巡は美優に一言言うと、ビビジガンの目前にたった。

何かを言われた美優は横たわるウォーカーのところへ行き、傷を治す。どうやら美優は、巡にウォーカーの傷を治すように、と言われたようだ。

傷が治り、身体が楽になったウォーカーは、美優を一度見、礼を言うと、視線を巡の方へ向ける。