ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.46 )
- 日時: 2012/03/03 16:22
- 名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)
……
2人が音の方を見る。
其処には、結界に土塊を当て結界を崩壊させようとしているビビジガンの姿があった。
結界が壊れるのは時間の問題だろう。巡は素早く、かつ的確に体育館での出来事を話した。
自分が特殊であること、また、美優たちもそうであること…
全てを話した。
ウォーカーは驚愕を隠せないようで、目を見開いている。巡が何か言おうとした時———再び轟音が響いた。
ビビジガンが2発目の土塊を撃ってきた証拠だ。一発目はなんとかしのいだが、流石に2発目となると結界もそろそろ持たなくなってくる頃だろう。
それを悟ったウォーカーは、巡にこう言う。
『集中………。あの"力"を使うには集中するんだ。精神の隅から隅まで研ぎ澄ませば…きっとあの"力"は発動する…。』
ウォーカーが台詞を言い終わった直後、ガラスの割れたような音が響く。結界がついに割れたのだ。美優は焦りの表情を表に出す。
しかし、巡はウォーカーの助言を聞き、焦りではなく今度はビビジガンを睨み付けるような態度をとる。
すると、洞窟内で地響きが起こり、3人は自由がきかなくなった。
巡は上下左右からくる岩塊に注意していたが今度は来なく、ビビジガンの方に目をやると、彼の周りにいくつもの土塊が浮かんでいた。
「これで結界は無くなった……終わりだぁ!!」
自分の周りにある土塊全てを発射する。土塊は空を切り、洞窟内の空気ですら切り裂くほどの勢いと鋭さを持っている。
———集中…集中するんだ……!
土塊のスピードは飛距離が長くなるほど速くなる。それは壁から出てくる岩塊が土塊を押し、巡達の方へ飛ばしているからだ。
スピードが増す土塊。まだ巡は集中しきれていない。巡の顔には一筋の汗が。焦り始めているようだ。
そして————土塊が直撃した。
と、思いきや、止まっている。巡が集中し、力を使えたと言う証拠だ。
巡は目の前で止まる土塊を見て安心しため息をこぼす。後ろではガッツポーズ(?)をしているウォーカーと、対照的に驚いて言葉を出さない美優がいる。彼らの時間は止まっていなく、動いている。ビビジガンも動きを止めているが時間が止まったわけではない。
そう、巡は"土塊のみ"の時間を止めたのだ。