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Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.47 )
日時: 2012/03/10 20:46
名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)


                   ……

「なっ…何が…。」

彼は目の前で起こっている事が理解できず焦りを見せる。それもそのはず、自分の打った攻撃が相手の眼前で完全に"静止"するのだから。

———まさか…"時間を制する"のか…!?

普通に考えて、目の前の人間が時間を止めると言うことなど無いはずなのだが、ビビジガンは人は見かけによらないと分かっていたため可能性は零ではないと思っていたが、もし本当に眼前の人間が時間を止められるのならば……。

———この勝負、圧倒的に不利な状況になる………!!

悟ったビビジガンは人間に休む暇もなく土塊をぶつけ続ける。しかし眼前の人間の前でピタリと土塊が止まる。何度も、何度も挑戦したが結果は変わらない。

———くそっ…何であたらないんだっ!!

段々焦りを見始めたのが行動でも出てきたのか、段々と土塊の命中率が下がっていった。それは彼にも分かった居たが動揺を隠しとおすことは無理だと感じたため、強硬手段に出る。

それは———

「喰らえ!!」

土塊の量を増やした。それだけだ。それだけだが、眼前の人間の目が見開いたのが確認できた。どうやら驚いているらしい。それもそのはず、増やしたと一言に言っても、先刻の倍———いや、数十倍ともあろう数の土塊がビビジガンを取り囲むように中を舞っている。



そして、ビビジガンの一言によってその大量の土塊が人間を襲った。





                      ……

———何だあの量の土塊はっ………!!

目の前で大量の土塊が一瞬にして現れた事に対し、巡は驚きを隠せずつい感情を表に出してしまう。ビビジガンが自分の表情を読み取ったのが分かった。

自分に向かって大量の土塊が飛来してくる。

先刻までの量なら止められたが、今は数が多すぎる。避けようにも、背後には美優とウォーカーが待機している。避けてしまっては彼女たちに直撃してしまうだろう。

———なら……壊す!

巡はポケットからダガーナイフを取り出す。ダークサイド校に行くまでの森で使用したものと同様のものだ。

そして土塊に向かいナイフを振り下ろす。案外土塊は軟らかかったので直ぐ次の土塊を破壊する行動に回れた。

しかし————直ぐに破壊できると言っても、人一人の力には限界と言うものがある。流れ弾が背後の2人に直撃するのは時間の問題だろう。ならばどうするか。

———時間を、止めるしか…!

巡に残された手段は、只一つ。時間を止めビビジガンの懐に潜り込むということだ。しかしこの大量の土塊の中、集中するにはすこし無理がある。背後の2人に流れ弾が行ってしまう。すると後ろから声が飛んだ。

「啓一君、後ろは私が守るから!」