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Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.50 )
日時: 2012/03/10 21:26
名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)


                   ……

「美優…お前、泣いて…たのか?」

「え?あ、何でも無いよ。」

そう言い美優は目じりをごしごしと衣服でこする。横目でウォーカーが微笑むと、巡はウォーカーの方を見る。

「何笑ってんだよ。」

『別に?…意外と優しいんだなーって、思っただけ。』

"優しい"と言う単語に、少し眉尻をあげるが、美優が

「そうだよ、啓一君って優しいんだね!」

と言ってきたので不機嫌になる気力も無くしてしまい、巡のイメージが良人のような感じになっていった。本当は殺し屋なのに…。

「あ、あぁ…。」

———殺し屋で善人イメージってどんなだよ!?あれか、異常なのか、俺?それとも殺し屋に向いて無い…?いやいやそしたらこれまでの仕事は一体なんだったんだ…。そうだ、善人のイメージが悪いんだな!俺は善人なんかじゃ無いんだ!あれは本能っていうか、反射的に出てきてしまったって事で…。あ?でも反射的って事は俺はそう思ってたってことだよな…?あぁ!?俺は異常なのか!?

一人で頭を抱え始める巡を心配そうに見つめる2人。

「あ、あれ、大丈夫なのかな…?」

『大丈夫、あれ瞑想だから。』

「瞑想!?啓一君瞑想なんて出来たの!?」

『え?知らなかったの?』

「初耳!」

2人が他愛も無い会話をしている間も巡は真相にたどり着けず、美優は巡が瞑想しているとガチで思い始めていた。

『ってなわけで帰るよ?早くしないとおいて行くけど…。』

「あ?あぁ。美優、行くぞ。」

「ふぇ?あ、はーい。」

人間2人は不意を付かれたようで、変な声が出る。

そして、3人はダークサイド校へと、向かっていった———。





                   ……

「ったく、この風景も久しぶりだなぁ…。」

巡の眼前には漆黒の塔———ダークサイド校が聳え立っている。背後の月は朱の色をしており、なんとも不気味な風景となっていた。