ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.54 )
- 日時: 2012/03/17 15:28
- 名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)
……
美優は扉を開け、ウォーカーの言っている"困っている人"を探した。
すると後ろから、
「すいません…。」
「ひゃぁっ!」
急に背後から声を掛けられたので、つい声をあげてしまう。何だ何だ、と家の中からウォーカーと巡がいそいそと出てくる。声を掛けたのは薄い水色のような髪型をしており、右目にはアイパッチが付けられている。
「あの、ウォーカーの家って此処…です、か?」
『そうだけど…、あ、君ルナヴィン?』
「あ、ウォーカー。探してたんだ。」
来客とウォーカーが仲良く話しているのを見て、巡はじっ、と来客を見る。すると、来客はこちらの視線を感じたらしくウォーカーの背後に隠れる。
「?何で隠れるんだ、お前。」
声を掛けるもよけいに出てこなくなってしまった。
『…啓一、君の眼光が怖いんだってさ。』
要は巡の目つきが怖かったので隠れたらしい。
「………なあ美優、俺の目つきってそんなに鋭い?」
「そうじゃないかな?」
「………そうか。」
———……、此処の人間は正直だな…。まあ、美優は元から正直かもしれないけどよ…。
正直に皆から言われ落ち込みモードに入る巡。それを見てルナヴィン、と呼ばれた少年は恐る恐るウォーカーの背後から出てくる。どうやら巡が落ち込んだので敵意は無いと感じたらしい。
「あのー…君、啓一君、って言うんですか?」
問いかける。
「あぁ?」
聞き返す。
「ひぃっ!ごめんなさい!馴れ馴れしいですよね!ごめんなさい!!」
「……………。」
巡は再び落ち込みモードに入る。
どうやらルナヴィンは極度の臆病者らしい。先刻も巡は普通に聞き返したつもりなのだが、彼には怒っているように聞こえたらしい。とんだ臆病者だ。
「な、なあ美優、俺もう立ち直れねぇわ…………。」
「啓一君までネガティブに!?啓一君、前向き思考だよ!」
お前は前向きすぎる。
「いいんだもう、あぁ本当死にたい。」
「啓一君元気出して!!」
これは…両方重症なのだろうか。区別するのも面倒なのでそう言うことにしておこう。
2人のやり取りを見ていたルナヴィンとウォーカー。ウォーカーは巡と美優の説明をし始める。彼の話を全て聞き、本当に敵意が無いと思ったルナヴィンはこちらへゆっくりと歩み寄る。