ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.56 )
- 日時: 2012/03/24 20:58
- 名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)
……
———1時間後。
『はい、此処がウィルディン。』
とウォーカーが言い眼前にある町を指し示す。看板には、"ようこそウィルディンへ!!"という文字が書かれている。どうやら此処は本当にウィルディンの様だ。
「長かった……。」
ルナヴィンはその場に倒れこむような勢いでへたり、と座りこむ。相当疲れているようだ。それもその筈、1時間ぶっ通しで歩いてきたのだ。疲れるのも無理は無い。
現に巡も少し疲労がたまっているし、美優はそれ以上だ。
しかしウォーカーは見たところつかれている様子は伺えない。どうやらまだ体力が余っているらしい。
———またウォーカー疲れてねーなぁ…。まさか体力"だけ"あるのか?
本人に言ったら必ずぶっ飛ばされそうなことを心の中で思う巡。ウィルディンの町並みは、全体的に赤。赤色の漆を至るところに塗ってあるのだ。故に、建物の表面などは光って見える。
「なんか…中国っぽいな。」
ふと、思った事を言う。確かによく見れば巡達の世界の中国に酷似している。漢字も所々だが使われているし、赤いし、なんといっても建物が古い。
「そうだね、なんか元の世界に戻ったみたい。」
「戻ったみたいって…。お前中国行ったことねーだろ。」
巡が苦笑しながら言う。美優はあ、そっか。といい彼女も苦笑した。残された魔物2人は人間2人の苦笑交じりの会話を静かに聞いていた。
『へぇ、君たちの世界にもこんなところあるんだ。』
会話に入ってきたのはウォーカー。巡は一度うなずき、
「あぁ、だけど此処より人沢山いるけどな。」
と言った。ウォーカーはえ、と驚きの顔を見せてから一拍、
『此処より?此処5億人は超えてるって聞いたけど。』
「5億?全然、俺らのところは13億だぜ。」
13、という数字を出した瞬間驚きの顔をしていたウォーカーの顔が更に驚きの感情に染まっていった。さりげなくルナヴィンも驚いていた様子だった。