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Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.62 )
日時: 2012/04/14 14:53
名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)


                   ……

『そう。君達は特殊な能力を持ってるから、僕のテレパシーにはある程度耐性が出来てるんだよね。でも…ルナヴィンは、長老の孫息子ってだけで、身体のつくりとか、そういうのは一般の人と同じだから耐性がほぼ零といっても過言じゃないんだよね……。』

ウォーカーはしょんぼりしている。巡と美優は2人同時に、手を叩く。どうやら同じタイミングで理解できたらしい。

「ってことは…テレパシーは有害なのか?」

『有害っていうか…あのー…うーん…まあ脳に直接話してるから、無害じゃ無いと思うけど…。』

ウォーカーが必死に自分の意見を言う。テレパシーは脳に直接いくので、確かに脳へのダメージは少しからずあるだろう。

「ふーん、だからお前、会った当初はあまり喋らなかったんだな。」

『うん。もし啓一がテレパシーで死んだらどうしようかと思って。』

しっ、と何か巡がいいたそうだが、美優は巡の台詞を止める。

「ウォーカー君って意外と親切っていうか…優しいんだね!」

目を輝かせながら言われるウォーカー。あまり人に親切、とか優しいとか言われた事がないので、たじろぐ。

案内し終わった後に、お礼の言葉を言われたりすることはあるが、流石に親切とかは言われた事はない。

———ってことは、案内が親切じゃないってことだよねぇ…。

そう考えると、なんだか急に切なくなってきた。自分、案内人してる意味があるのか、とも思えてきた。これではいけない。

『あ、ありがとう。』

美優のほめ言葉の返答に、数分遅れが生じた。巡は不審にこちらを見る。美優は既に目の前からはいなくなっており、彼女はルナヴィンのところへ行っている。

———2人とも個性的だなー。

呑気にそう思う。

巡は黒髪、実際優しい青少年。しかし職業は殺し屋、という物騒な仕事に就いている。それに極度の猫好き。もし相手が猫の着ぐるみ着て暗殺に来たらどう対処するのだろうか。

美優は茶髪でツインテール。見た目的には文化系でおとなしそうだが、実際活発に動く。普通の高校生のはず、が特殊な能力が使えるようになっている。彼女は感情豊かで思いやりがある。だからだろうか分からないが、彼女の能力は回復能力。仲間を癒す能力を持っている。

———僕は、この2人に会えてよかったと思うな。

何を考えてるんだ、と自分でも思うが、実際会えてよかったと思っている。会えなかったら、自分は暗く、一人きりの孤独な人生を歩んでいた、とそう考える。

———僕にとって、あの2人は、救世主って呼んでも過言じゃ無いと思う。それだけあの2人は僕の人生を変えてくれたんだ。……まあ危なっかしいところもあるけど、でも———。

ウォーカーは、考える事をやめた。