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Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.63 )
日時: 2012/05/25 20:12
名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)


                   ……

「もう大丈夫そうか?」

巡はルナヴィンに問いかける。ルナヴィンは、静かに頷き、

「大丈夫、御免…迷惑かけちゃって…。」

ルナヴィンが、申し訳なさそうな顔をして俯く。美優はルナヴィンに目線を合わせるようにしゃがみ、

「迷惑なんてかけてないよ、そんなに後ろ向き思考にならない、ならない。後ろ向き思考になってると啓一君みたいになっちゃうよ?」

「どういう意味だそれ!おい!美優!!逃げんな!!」

美優は巡から逃げる。巡は逃げる美優を追う。会話を聞いていたウォーカーがルナヴィンにテレパシーを送る。

『…大丈夫そうで何より。御免ね、僕、説明で大変になっちゃってさ。』

謝る。

「いや、ウォーカーが悪いんじゃ無いから。僕の頭の容量が悪いんだ。」

ルナヴィンは俯いたままだ。

『いや、実際テレパシー飛ばしすぎた僕が悪いから。』

俯く。

「お前ら両方悪く無いってことで、いいだろ。」

巡が仲介として入ってくる。確かに巡のいうとおり、どちらも悪くはない。

「…そうだね。」

ルナヴィンは微笑をウォーカーに向ける。対するウォーカーも微笑し、

『じゃあ…お互い様ってことで?』

2人は仲直りの印に、握手をかわす。し終えた後、ルナヴィンはカジュネス邸に行くため前に歩く。

しかし————

ルナヴィンの動いていた足が、止まる。

そして、立ったまま動かない。

何があったのかと、巡とウォーカーは顔を見合わせる。急にルナヴィンがこちらを見、

「あ……あああああああああああああっっっ!!」

急に何かに怯え始める。それはこちらを見てから始まったものだ。

「お、おい!!ルナヴィン!?」

焦る。

ウォーカーも同様に、だ。

しかしルナヴィンは怯えている。

「や、やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

叫ぶ。

叫ぶ。

巡が静止をするが、無駄。

未だに、ルナヴィンは叫んでいる。

何かにとり憑かれているように。