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Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.65 )
日時: 2012/05/25 20:15
名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)


                   ……

「二人共落ち着いてよね…。」

美優は巡とウォーカーにつぶやく。ルナヴィンはうつむきこちらに顔を向けずにいるが、どうやら意識はあるらしい。

「…ルナヴィン大丈夫なのか?」

巡が問う。

「大丈夫。殴っただけだけど。」

「殴った!?」

はたして美優はこんなキャラだったのだろうか。もしかしたらリムーヴァルクに来て頭が可笑しくなってしまったのだろうか。それはそれで困るが。

『…大丈夫かなぁルナヴィン。』

「…まぁなんとか…。」

ルナヴィンが立ち上がる。

「ルナヴィン大丈夫か?」

巡が聞く。

「うん。あの人のおかげかな。」

そういいルナヴィンは美優の方を指さす。対する美優はえ?という顔をしている。

「殴られて感謝してるのか?」

「殴られて…っていうか正気に戻してくれて感謝、みたいな感じかな。僕もよく言葉では説明できないんだけど…でも、あの人…美優には感謝しているよ。」

そう言いルナヴィンは美優の前に立つ。

「ルナヴィン…さっきより話すようになったな。」

巡は思ったことを隣にいるウォーカーに言う。彼は巡の言葉を聞き、ルナヴィンの方を見る。確かに彼は先刻よりは話すようになった。だが、

『でも、まだだよ、僕の知ってるルナヴィンとは程遠いって言ったらいいの?』

「お前の知ってるルナヴィンってどういうやつだよ。」

『僕が知ってるのは…ロンリーと一緒に遊んで楽しそうにしているルナヴィン、かな。あの時の彼は今までにないほど笑顔で、見てるこっちも幸せにするんじゃないか、ってほど幸せオーラを放ってたから。でも、今は違うよね。ただ笑ってるだけ。まだ見てるこっちは幸せにならない。だから、僕の知ってるルナヴィンとは程遠いな、って言ったの。』

「相手を幸せにするオーラを放つルナヴィン…。」

想像してみた。ルナヴィンの体から桃色の幸せオーラが出る画を。そして、巡は瞬間に吹き出した。

突然のことに、ウォーカーはえ、という顔をしている。それは当然で、はたから見たら巡が急に一人で爆笑し始めたのだ。対応が遅れても不思議ではない。