ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.66 )
日時: 2012/06/02 19:46
名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)


                   ……

「カジュネス様……いるかな?」

数分後、カジュネス邸の前に立つ巡、美優、ルナヴィン。ウォーカーは今はいない。カジュネスの事が苦手なのか、カジュネス邸に向かうときに

『あぁ僕ちょっと飲み物買ってくるよ。』

といい一人で行ってしまった。

「いるんじゃねーかな。……。」

ふと、巡は扉ではなく扉の横に目が行った。そこにはこちらの世界で言う"インターホン"が設置されていた。ルナヴィンはそれに気付いていないのか少し大きめの声でカジュネス様ー?と扉に話しかけている。

「…………。」

巡は無言でインターホンを、押した。

すると家中に物凄い轟音が響き渡り、外にいる3人にもその音が聞こえ一瞬にして皆耳をふさいだ。ふさいだときルナヴィンと美優が何か言っていたがこちらには何も聞こえない。

———まさかこんな轟音だとは…カジュネスって奴は耳でもおかしいのか?

一人、そう思っていた時、轟音が止み扉が静かに開く音がした。

轟音から救われた3人は少しずつ耳から手を離し開いた扉の方を見る。そこに人影は無く、しかし確かに人の影がある。人の姿は無いが影だけは存在する。

「…ん?何で影があるんだ?」

まさか上にでもいるのか?そう思った巡はうえをみるも、何の姿も無い。上下左右を見ても大きな人影があるだけで、他に人型の物体は存在しない。不思議に思った巡はルナヴィンに訊ねる。するとルナヴィンが影を指し、

「この人が、カジュネス様だよ。」

と引き腰で言った。そんな馬鹿な、と彼は思い影を見る。しかし影はもう既にそこにはいなく、左右を見ても影はいない。

「ほら、こっちですよ、こっち。何処を見てらっしゃるのですか?訪問者さん。」

何処からとも無く声が聞こえる。それは彼の背後…巡の影から聞こえてきたものだった。