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Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.70 )
日時: 2012/06/02 19:53
名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)


                   ……

扉を叩いてきたのは一人別行動を取っていたウォーカー。彼は両手に大きな袋を持っている。重たそうな感じだが、ウォーカーはあまり苦としておらず、平然とした、いつものポーカーフェイスである。

『カジュネス様、お久しぶりです。』

大きな袋を地面に置き、カジュネス姉妹に一礼するウォーカー。嫌っていたのではないか、と言う巡の仮説は違ったようだ。

「あ、ウォーカー君じゃないですか、ルナヴィンの付き添いですか?」

「何か僕が病人みたいじゃないですか!」

ルナヴィンの突っ込みがはいる。片目にアイパッチと、旗から見れば病人なのだが、自身はそうは思っていないようだ。

『まあ、そんな感じです。あ、エミリ様もこんにちは。』

なんだか異様な程ウォーカーが笑顔になっているのは気のせいだろうか、と思い始めた巡。いつもならポーカーフェイスを崩すことなく無口キャラをつきとおしている、はずなのだが。

「ん?わたしはメアリのついでか?えぇ?」

というエミリの一言で、ウォーカーの笑顔が消えた。

『あ、べ、別に、そう言うわけじゃなくてですね、えっと、その……。』

彼は笑顔から焦りの顔になり始める。冷や汗を流しているのがこちらからも伺える。何故急に態度が一変したのか。それはこれから分かることだった。

「ほほう、ちびっ子ウォーカーはまたわたしに虐められたいのだな?」

『違います!僕はMじゃありません!それにちびっ子でもありません!』

必死に否定の言葉を発し続けるウォーカー。本当に心の底から否定しているようで、表情に余裕がない。ポーカーフェイスは何処へいったのやら。

「ウォーカーMじゃないのか!?」

『君はずっと僕の事をMだと思ってたの!?君だけは僕の味方になってくれると思ってたのに!!』

なんだか急にウォーカーに嫌われた気がする、と思ったのは巡だけだろうか。