ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.77 )
- 日時: 2012/06/21 20:39
- 名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)
……
「皆…これ…。」
ロンリーは自分が発見した風の壁を指差して言う。無論風なので他人からは虚空を指差しているようにしか見えないのだがそこにはしっかりと風が存在しており、壁となっている。
「これは……もしかして僕たちをこの先に進めないようにしてるんじゃないのかな…。」
ルナヴィンが自分の推測を口に出す。ウォーカーは同意をするように首を縦に振る。ロンリーも同様に静かに首を振る。しかし美優は首をかしげた。
「でも…なんでこんな所に壁なんて作るんだろう…まあ意味はあるんだと思うけど、どんな意味なんだろう…もしかしてこの先獰猛な猛獣が…!そして私たちにはフレンドリーな猛獣が!」
『それはない。』
出た、ウォーカーの即突っ込み。
「何か…湖の方に何かあるのかな?」
「その何かでルナヴィンがぼろぼろになればいいのに!あ、服は大事にしないと駄目なんだったっけ。じゃあルナヴィンのアイパッチだけでもぼろぼろに!私の懇願!」
「そんなの懇願にしない!」
もうこの2人はコンビ組めばいいんじゃないかな、と思ったりするウォーカーであるが、ふと妙な音を聞く。それは風と肉体が擦れ合う音で、通常ならばありえない音だ。
『もしかして啓一…湖の方で…戦っているんじゃ…!』
……
「!!」
聞こえた。確かあれはウォーカーの声だ。自分の耳に聞き間違いなどありえない。それほど耳には自信がある。よく耳を澄ましてみれば他にも美優やルナヴィン、ロンリーの声も聞こえる。
———全員で来たのか…!!
少人数で来れば逃げるのも楽だったのに、と思うがいまさら遅い。そもそも自分が気を抜いていたのが悪いのだ。責めるべきは自分にある。
相手は見えない攻撃を繰り出してきている。何度もあたったので段々技の正体が分かるようになってきた。使っているのは風。つまり莫大な風を圧縮し飛ばしてくる"かまいたち"と同じ原理だ。相手はかまいたちを飛ばしてき巡の身体を傷つけていく。