ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.78 )
- 日時: 2012/06/21 20:41
- 名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)
……
「ぐっ………!」
この状況を何とかしなければならない。
美優達を傷つけるわけにはいかない。何としても守り通さねばならないのだから。大体、美優が自分に付きまとってきたのは自分から声をかけたあの時が原因なのだ。
だが、今自分は攻撃を受けている。助けに行けない。
ウォーカーが守ってくれるだろうか。
いや、彼はルナヴィンとロンリーという自分にとって掛け替えの無い友人を先行して守るだろう。そうだ、美優を守れるのは自分しかいない。
しかし、助けに行けない。
目の前のクリスタクトは攻撃を仕掛けてきている。自分を本気でつぶそうとしている。そうだよな、自分は彼らにとって"仲間"と言える人物を一人消滅させたのだから。
———あっちでもこっちの世界でも、俺は人を殺すしか出来ないのか……!
守りたい。
殺すのではなく、大切な存在を、守りたい。
そうするには、
「少しの…っ犠牲も付き物だよなぁっ!」
「!」
かまいたちが、はじかれた。
目の前の、いかにも子供といった生物に、いとも簡単にはじかれた。一体どういうことだろうか。風・鈴は手加減した覚えも無いし、相手が弱っているのは確実だった。
「どうして……」
言葉が出ない。ありえないと思っているのか、それとも現実が信じられないのか、一瞬動きが止まる。それに伴って、風の暴風壁が消える。その隙をついて、巡は駆け出した。
守りたい人…美優の元に向かって。
しかし直ぐに風・鈴は首を振り、攻撃を仕掛けて来る。意識が戻ったため再び巡の前に暴風壁が立ちはだかる。
「邪魔をするなクリスタクト…っ!俺は…俺は…!」
「何を言っても私は聞かないわ!貴方はビビジガンの仇なの!私が倒さないといけないのっ!」
風・鈴が切実に叫ぶ。それを見た巡は一瞬、
———クリスタクトも…大変なのか………。
しかし同情はしてはいけない。あくまで客観的に物事を見ろ、と何べんも自分の心に言った言葉だ。彼はそれを思い出し、再び風・鈴の方を向く。
「どうやらお前を倒さないと戻れないみたいだな」
「ようやく腹をくくったのね」
そう言い、再び大量のかまいたちが巡を襲った。