ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.85 )
日時: 2012/09/07 17:44
名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)


                   ……

そして、時間は進み始める。

先ほどまで何も無かった空間に、突如青白い光が出現した。

「!?」

彼女は突然の出来事により反射が起こらず、そのまま光と衝突してしまう。思った以上に威力が高く、後ろ数メートルほど飛ばされてしまう。

目の前にいる男は、柄を振り下ろした様子で、こちらを驚いた目で見ている。何を驚くことがあったのか。驚く方はこちらだ。

ビビジガンからは聞いていたが、まさか本当に時間を止める能力を持っているとは。

———聞いた当初は、ビビジガンが私をからかっているだけと思ってたけど……。

本当なのだろうか。分からない。何せ相手が時間を止めていても、自分がそう感じられないからだ。

———時を止める能力、本当なら厄介な相手ね……。何せ時間を止められてしまったらどの攻撃も効かないもの……!

再び時を止められないように素早く攻撃をしようと、仰け反った身体を元に戻す。見れば少年はこちらが無事な事に安堵のため息をついているようだった。

人の心配をしているつもりか?と、怪訝な気持ちになる。何故人の心配をする。それだけ余裕だと、自分に言いあてているのか?と。

「啓一、って言ったわよね」

急に自分が口を開いたため、驚いた顔で腰をあげる。どうやら戦闘態勢を解いたようだ。

「……あぁ」

「貴方、何なの?私の心配、したでしょうさっき。どうして敵である私を心配するのよ。敵は敵でしょう?貴方、敵と味方の区別ぐらいできないの?」

今聞くことではないと思ったが、直ぐ聞かないとこの心の中のモヤモヤがどんどん膨張しそうな気がしたので、実行に移った。