ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.86 )
- 日時: 2012/09/07 17:46
- 名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)
……
「敵だからって言っても、別にお前らが悪さしてるわけじゃないし…単に俺が勝手にお前を倒して結晶を集めてるだけだしな。 お前らからしたら俺の方が悪役なんじゃないか?」
確かに、彼の言うとおりだ、と風・鈴は思う。しかし何故今ここで言うのか。それに今彼は戦闘態勢を解いている。もし自分が一直線にかまいたちを発射したらどうなるのだろう。防御するまもなくやられるのだろうか?それとも攻撃を真正面から喰らって耐え切って見せるのか。
「啓一……私は、貴方が憎いわ。だって仲間のビビジガンが倒されたんですもの。でも……」
そのあとの言葉は出てこなかった。少年がこちらを無垢な目で見つめてくる。それは何もかも見据えているようなもので。
「向こうで、クリスタクトと啓一が話している……和解とか出来たのかな?」
『さあ。 啓一は殺し屋だし、隙を見せたら殺しにかかるかもね』
「ウォーカー君、そんなこと言わないの。 啓一君は根はいい人なんだから、そんなことはしないと思うよ」
「啓一君って人、結構信頼があるんだね」
防風壁の前、立ちすくむ4人は、目の前の信頼している少年と、敵である女性を相互して見つめていた。そしてふと、臆病者がこう呟く。
「剣……絶好調みたいだね」
『そういえば……あの剣は結局なんだったの?』
とテレパシーで話すのは白髪の小柄な少年。彼は臆病者を見つめると、臆病者はうん、と前置きをして話し出す。
「やっと思い出したよ。あれは確か、時暗刻斬剣スパッジオ・スパーダ。選ばれし者だけが使用可能な贄武器……」
『贄武器?』
と、少年が首をかしげる。親友の問いに対し、臆病者は話を続ける。
「そう、贄武器。使用者の特殊能力を最大限に引き出す代わりに、対価としてその人にとって"大切"なものを奪うっていうものだよ。 簡単に言ったら等価交換かな」
『じゃあ啓一は…………』
「彼が何を失うか、僕には分からない。一緒にいたウォーカーなら分かるんじゃないかな?」
ん、と少年は呻り、考える動作を始めた。