ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.88 )
- 日時: 2012/10/12 21:14
- 名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)
……
「んなっ!?俺の……足が!?」
パニックになり頭がうまく回らない。一体どういう事だろうか。何故自分の足は消えかかっている?何故だろう、そう思ってるとウォーカーから連絡が来る。
『啓一、落ち着いて聞いて!君は今代償を払ってるんだ、君の右足が生贄になってるらしい!』
「は、はあ!?ちょ、ウォーカー、意味が分からねえよ!」
生贄とはなんだ、代償とはなんだ、様々な思いが巡る中、彼の右足は消える勢いを減らさない。
———もしかして、俺はこのまま右足を失って生活するのか?
いや、もしかしたら右足だけではなく左足かもしれない。全身かもしれない。この右足に取り付いている光は俺全てを飲み込むのかもしれない。どうしたらいいんだろうか、第一なんの代償なんだ、これは。
再び、ウォーカーからテレパシーが来る。やはりそれはノイズ混じりで、なかなか聞き取りにくかったが風・鈴が巡の足が消えかかっていることに気づき風を弱めたおかげで聞き取りやすくはなっていた。
『いい?今啓一が持っている剣は時暗刻斬剣スパッジオ・スパーダって言って贄武器の一つらしいんだ、贄武器ってのは後で説明するから置いとくけど、早くその剣を消滅させないと君自身が武器に取り込まれちゃうんだ!』
「なっ……」
———使用者を取り込む剣だと?そんなの聞いたことも見たこともなかったが……今俺が手にしている時暗刻斬剣スパッジオ・スパーダがそうらしいな。贄武器、俺の推測じゃ使用者を生贄にするって感じだが……ルナヴィンめ、とんでもないものを渡してきたな?
これからどう戦おうと、そう悩む。剣を使えば自分が消滅する。剣を使わなければ風・鈴のかまいたちで殺される。究極の二択といってもいいだろう。いや、共通して言えることがある。
———これ、俺ここで死ぬフラグじゃね?
両方共巡が死ぬ、消えるという選択肢なのだ。どちらかというと彼自身、まだ死にたくないというのが本音なのだが今はそんなことを考えている暇ではない。
———俺が戦わないと美優たちに怪我を負わせちまうからな……仕方ねぇ、別に俺が消えたって誰も悲しまねぇだろ!
そして巡は、行った。