ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Every day the Killers †7つの結晶編† ( No.98 )
- 日時: 2012/11/30 21:32
- 名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)
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かれこれ数十分が立つ。
いや、それは現実時間ではない。感覚時計ではの話だ。これ程までに疲労感を感じたことはあるだろうか。流石クリスタクト、風・鈴の鎌鼬は巡たちに休む暇さえ与えず次々と攻撃を繰り出していく。彼女は疲れ知らずなのか、済ました顔で攻撃を繰り出す。まあ鎌鼬は飛び道具だから使い手が疲れることはないだろう、と思っているだろうが、それは間違いだ。飛び道具でも物理攻撃でも、“魔法”を使うときは必ず生命エネルギーを消費するものだ。なので必ず風・鈴は疲労する、はずなのだが。
『何で……何で疲労が感じられない———?』
「いや、その考えは違うと思うよ、ウォーカー」
真横で、真剣な顔で風・鈴を見つめるルナヴィン。彼はウォーカーが思ったことを瞬時に思ったらしく、否定の言葉を出す。
『でも……僕から見て、彼女は“無限に生命エネルギーが湧き出している”ようにしか見えないんだよ、ルナヴィン……。 それに、彼女の魔力は絶大だ。アレが出来ないってことはないだろ……?』
「———まさか、そんなはずは……。だってアレは…………」
けど、信じられない、とルナヴィンは困惑したが、納得したような顔でウォーカーと顔を見合わせる。
「彼女になら……出来るかもしれない…………」
「子供が?」
「違うよ!!」
途中で乱入して、見事にシリアスな雰囲気を壊してくれたロンリーにルナヴィンがものすごい反射神経でツッコミを入れる。ウォーカーは少し面白かったのか、ぷ、と吹き出してしまう。
「おいお前ら!そっちに鎌鼬いったぞ!!」
遠くで、巡の叫び声が聞こえる。が、時すでに遅し、皆宙を見上げて目を見開きあんぐりした顔で微動だにしない。どうやら脳が動くということをやめたらしい。
ドンッ、と何かが衝突する音が聞こえた。