ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: colors game ( No.4 )
日時: 2011/12/11 10:08
名前: 紅 琥珀 (ID: GZZH.9.a)

「colors gameってあれだろ?円の端に4つのペンを立てて、
 それを倒したらゲームの世界に行くとか言うやつ。」
夏夜も面白そうだと言わんばかりにニヤニヤした。
colors gameはこの学校の生徒なら誰もが知っている。
実際にやってみたという例は幾つのあるが、未だに成功したという例は聞いたことがない。
「面白うそうじゃん。やってみようぜ!」
「どうせ成功しないんだ。やったって意味がないだろ。」
夏夜の発言に星が反対する。
おそらく、成功したときのことが怖いのだろう。
「どうせ、成功したときが怖いんだろ?」
騎士は星を少し挑発してみた。
「こっ怖いわけないだろ!いいよ。やってやるよ!!」
案の定、まんまと挑発にのる。
「全員賛成な。んじゃ、始めようぜ!まずは紙に円を書くっと…………」
そう言って、紅真はノートに円を書き始める。色は騎士が塗り、
4色のペンは、星と夏夜が出してくれた。
そして、全ての準備が整った。

Re: colors game ( No.5 )
日時: 2011/12/11 15:55
名前: 紅 琥珀 (ID: aMCX1RlF)

「それじゃぁ、いくぞ。1、2の3!」
騎士の合図で全員がペンを支えていた指を離した。
コンッ………
一瞬………………本当に一瞬だった。
4本のペン先はきれいに円の中心の真上で当たったのだ。
4人全員がその瞬間をしっかり見ていた。
だが、何もおこらない。何の変化も見られなかった。
「なぁ、今ペン先ちゃんと全部当たったよな?」
「あぁ…………」
「じゃぁ、何で何も変わらないんだよ?騎士。」
「俺に聞くなよ。そもそも、お前本気で信じてたのかよ?」
「やっぱり迷信だったんだろ。ゲームの世界へ行くとかありえないし。
星だけはとてもホッとしたような表情を浮かべていた。
いきなり教室の扉が開いた。
「おいコラ!!何を遊んでいる!?課題は終わったのか!?!?」
先生に怒鳴られ4人はしぶしぶと自分の席に戻った。








このとき誰も気づきはしなかった。
もう、すでにゲームは始まっているということに……………

Re: colors game ( No.6 )
日時: 2011/12/12 20:48
名前: 紅 琥珀 (ID: 1MUYAKfT)

帰り道。空はオレンジ色に染まっていた。
「あぁー。結局、予定より2時間も遅くなっちまったよ。」
星がぼやいた。
遊んでいたことがバレてしまい、補習を延長されたのだ。
「っていうか、やっぱりあれ迷信だったんだな。」
「お前、もしかして本気にしてたのかよ?うける〜。」
「あ、俺こっちだからじゃぁーな。」
「俺もそっちだ。またな〜。」
そう言って、4人それぞれの道に帰っていった。

Re: colors game ( No.7 )
日時: 2011/12/12 20:58
名前: 紅 琥珀 (ID: 1MUYAKfT)

夜 10:00
騎士はリビングでのんびりとテレビを見ていた。
そこに、妹が話しかけてきた。
「ねぇ、お兄ちゃん。」
「あぁ?何だ?」
面倒くさそうに返事をする。
「今日の夕方さ、いつもよりずっと涼しかったね。」
確かに、この日の夕方はいつもよりずっと涼しかった。
「だから?」
「涼しい夜はね、お化けが出るんだって。怖いよね。」
「中学生にもなってまだそんなこと信じてるのかよ?」
「ちょっとふざけてみただけだよー。」
「俺、もう寝るから。」
「あれ?今日は寝るの早いね。いつもは1時とかなのに。」
「俺の勝手だ。」
そうして2階の自分の部屋へ戻った。
寝るとは言ったものの、部屋でずっと漫画を読んだりゲームをしたり
していたため結局、本当にベッドへ入ったのは12時数分前だった。

ジリリリリリリリリーーーーーー



Re: colors game ( No.8 )
日時: 2011/12/13 21:28
名前: 紅 琥珀 (ID: aMCX1RlF)

急に大きな音がなったような気がして飛び起きた。
時計はちょうど12時を指していた。
「何だ………?今の……………」
もし、この音が本当に聞こえたのなら妹がとんでくる筈だ。
来ないのだから気のせいなのだろう。
だが………気のせいにしてはかなりリアルな音だった。
そんなことを考えていると、ずっと寝つけずにいた。
それから、30分は経っただろうか。
騎士はもう一度時計を見た。
それと同時に大きな異変に気づく。
12時から時計の針が全く動いていないのだ。1分1秒も…………
ついさっきまで正常に動いていた時計だ。いきなり止まるなんてこと、ある筈がない。
念のためケータイ電話の時間も見てみる。
秒までは分からないが、やはり12時のままだ。
どれだけ長く、時計を見つめても針は動かない。
ケータイ電話の時計も動いていなかった。

Re: colors game ( No.9 )
日時: 2011/12/15 16:45
名前: 紅 琥珀 (ID: RZyCPB/0)

急いでリビングに駆け下りた。部屋の明かりはついていない。
家族全員寝たのだろう。
試しにバルコニーへ出てみた。
騎士が住んでいるのは大通りに面している大きなマンションだ。
窓を開ければ嫌というほどに車やバイクの音が聞こえてくるし、
外を見ればたくさんの建物の明かりが目に入る。
しかし………このときは違った。
音は何も聞こえず見える明かりは街灯だけ。それだけではない。
風もないし、夏の夜とは思えないほどの寒さだった。


時が止まったのだ…………………

Re: colors game ( No.10 )
日時: 2011/12/17 11:58
名前: 紅 琥珀 (ID: aMCX1RlF)

「嘘だろ………」
騎士は時間の動かないケータイを取り出し、夏夜に電話をかけた。
Prrrr Prrrr Prrrr
コールが、1回2回3回と鳴る。5回目のとき
電話の向こうから夏夜の声がした。
『もしもし?騎士か?』
「夏夜!なあ、何かおかしくないか?」
『ああ。変なサイレンみたいな音は鳴るし、時間は進まないし、やけに静かだし。』
やはり、夏夜も異変に気づいていた。そして、
あのサイレンの音を聞いている。
「もしかして、あのゲームが原因なんじゃ?」
『そっ、そんな筈ないだろ!あれは迷信だ。』
「だったら少し調べてみないか?」
『調べる?』
「ああ。4人全員でゲームをした、あの教室に行くんだ。」
『分かった。じゃあ、俺は星に連絡する。お前は紅真に伝えろ。』
「分かった。集合場所は学校前て良いな?」
『了解!それじゃ。」
 Pi……

Re: colors game ( No.11 )
日時: 2011/12/18 12:58
名前: 紅 琥珀 (ID: RZyCPB/0)

電話が切れて、即座に紅真へと連絡する。
Prrrr Prrrr Prrrr Prrrr .......
12回程のコールでようやく紅真が出た。
「おい紅真。お前、変なサイレンの音聞かなかったか!?」
何の前置きもなしに話を始める。
『なんだよ?もう真夜中だぜ。確かに変な音は聞こえたけどよ。』
紅真もだ……。紅真も聞こえたんだ。この分じゃ星も聞いている筈だ。
「お前、何も気づかないのか!?」
『気づくって何にだよ?』
「時間だよ!!どう見たって進んでないだろうが!」
『時間……?本当だ!!12時のままじゃん!!』
「それだけじゃない。外の様子もおかしい。やけに静かだし。
 街灯以外の明かりは全くない。風もないうえに寒いんだ。」
『マジかよ!?』
「とにかく学校に集合だ。すぐに来い!」
『ちょっと待て。何で集合する必要があるんだよ?』
「サイレンの音は俺もお前も夏夜も聞いている。おそらく星もだ。
 でも、多分俺の妹には聞こえていない。だから、もしかしたら昼にやった
 ゲームのせいかもしれない。」
『ゲームか…………。分かった、今から学校に行く。じゃあな。』
「ああ。」
Pi........

Re: colors game ( No.12 )
日時: 2011/12/20 18:11
名前: 紅 琥珀 (ID: xy9VqjvI)

そして騎士は家から飛び出した。
服装はいつも部屋で着ているジャージだったが、今は着替えている余裕などどこにもない。
外は恐ろしいぐらいに静かだ。車は一台もないし、人っ子一人見当たらない。
自分が走る足音が、異常なまでに大きく聞こえた。
光は街灯以外には月明かりだけだ。
それをたよりに自分の通う学校へと全力で走った。
集合場所に着いたとき夏夜と星は既に来ていた。しばらく経ったところで紅真も来た。
「それじゃあ、行くか。」
「行くって言ってもどうやって入るんだよ?鍵が掛かってるんだぞ。」
「いや、開いてるぞ。」
駄目もとで門を押していた星が鍵が開いていることに気づいた。

Re: colors game ( No.13 )
日時: 2011/12/19 21:31
名前: 雨子 ◆N0LvqHQqO2 (ID: b5YHse7e)

面白いです!
これからどうなるんでしょうか?
応援しております〜

Re: colors game ( No.14 )
日時: 2011/12/20 18:28
名前: 紅 琥珀 (ID: xy9VqjvI)

雨子さん、
こんな駄作にコメしてくださって
ありがとうございます><

これからも駄文が続きますが、
飽きずに読んでいただけると嬉しいです♪

Re: colors game ( No.15 )
日時: 2011/12/20 18:43
名前: 紅 琥珀 (ID: xy9VqjvI)

「お、ラッキーじゃん。」
「でも、普通正門の鍵を閉め忘れることなんてあるか?」
「まあ、細かいこと気にせずに入ろうぜ。」
不信に思いながらも4人は校内へ入った。
だが、さらに奇妙な点が発見された。
校舎の鍵めまでもが開いているのだ。
「ちょっと待て!絶対におかしいぞ!!」
「外の様子に比べればマシだっての。」
騎士の言葉を無視してどんどん進んでいく紅真。
そして、教室の前にたどり着く。
「開けるぞ。」
夏夜がドアを開けた。
「何だよ……これ…………」
「ここ、どこだ……?」
全員が自分の目を疑った。
なぜなら……そこにあったものは教室ではなく、





真っ暗で4色の扉だけがある異空間だったのだから。

Re: colors game ( No.16 )
日時: 2011/12/21 21:24
名前: 紅 琥珀 (ID: RZyCPB/0)

4人は恐る恐るその空間の中へと足を踏み出した。
全員が入ったところで、いきなりドアが閉まった。
「おい、ドア閉めるなよ。」
「俺じゃねーよ。」
真っ暗な筈なのに、ちゃんと一人一人を確認できる。
「ここ、どこだよ……。」
さっきと同じ言葉をもう一度言う星。
「ここはゲームのスタート地点です。」
曇った男性の声がしたと思うと、スッと目の前に男が現れた。
その男は、タキシードに黒いシルクハットをかぶり
ニヤリと笑った黒と白の不気味な面をつけていた。
声が曇っていたのはそのためだろう。
「おっ、おい……みんな逃げようぜ!」
夏夜がドアに手をかけた。
だが、ドアは開かない。いや、ドアそのものがなくなっている。
ただの壁になっていた。

Re: colors game ( No.17 )
日時: 2011/12/24 14:09
名前: 鈴音 (ID: LA3FDWTf)

見に来たよ〜

凄い面白い!これからどうなるんだろう…気になる…

更新頑張ってね!応援してます!

Re: colors game ( No.18 )
日時: 2011/12/24 19:08
名前: 紅 琥珀 (ID: xy9VqjvI)

>>鈴音

見に来てくれてありがとう!

駄文だけど、私なりに頑張るね☆

Re: colors game ( No.19 )
日時: 2011/12/24 19:19
名前: 紅 琥珀 (ID: xy9VqjvI)

「ドアが…ない……?」
「嗚呼、ドアですか。ドアと言えるものなら
 ここにある4つの扉だけですよ?」
また曇った男の声。
「誰だ!?手前!!」
「私はここの管理人です。」
「ここの……管理人?」
「ええ。とはいえとても驚きましたよ。まさか、この世界を
 作り出すための儀式を成功させる者が再び現れるとは。」
「儀式ってもしかしてcolors gameのことか?」
「その通りです。それでは、これからこのゲームの説明をいたしましょう。
 まず、あの4色の扉を1人1つ選びます。扉には赤、黄、緑、青がありますね。
 あれは色ごとにステージが違います。何色がどんなステージかはそのときの
 お楽しみです。あとは各ステージごとに進んでいき、途中でガラス玉をとり
 それをゴール地点に置けばゲームクリアです。行く手を阻む敵などもおりますので
 ご注意ください。」
管理人は一通りの説明を終えた。