ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Part.1「その少女は美しかった」 ( No.3 )
日時: 2011/12/15 00:13
名前: ヵほ (ID: bKUz3PZj)

in二階—自室—


「泰斗君、朝ですよ」
カーテンに手をかけて微笑みながら俺に声をかけるその人は
母親でもなく、父親でもなく、兄妹でもなく、家政婦の塚田さん。

「ん……もう朝……?」

「そうですよ。朝食が出来ているので、下に降りてきてください」
終始笑顔で部屋を出て行く塚田さんをボーっと見る


朝がとても弱い俺は
もう一度布団に顔を沈める。

「あら……眠いのは分かりますけど、ちゃんと食べなきゃ駄目ですよ」
そんな俺に気付いた塚田さんがすかさず声をかける
起きないと駄目か……。


「ふわぁ……おはようございます」
俺は部屋着のままリビングに顔を出す

「はい、おはようございます」
俺が椅子に座ると、テーブルには既にご飯とおかずが置いてあった。
塚田さんはその後直ぐに熱々の味噌汁と冷たいジュースを俺の目の前に置く。


「いただきます」
俺は小さな声でそう言ってから食事を口へ運んだ。
うん……美味い……。

おふくろの味って、こういうのを言うのか?