ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: Dear. ( No.8 )
日時: 2011/12/15 20:36
名前: ヵほ (ID: SCMOcoS4)

「ある病気にかかっちゃって、もう2年も入院してるのよ」

「あの、あの子って何歳なんですか?」

「小学5年生。10歳よ」
10歳ってことは……入院したのは8歳?

「2年間も入院していて、まだ治らないんですか?」


「……亜理紗ちゃんは余命宣告されているわ」

「…………はい?」
余命宣告?
何を言っているんだこの人は

そんな重い病気を抱えている人が
あんな元気でいられる訳がないじゃないか。
さっきは走ってたし、体力もあった。

「そのせいもあって外出の許可が出来ないの。
それを知っている亜理紗ちゃんは、毎日毎日病院から逃げ出すのよ……」

俺はそのとき心底思った
止めろよと。
見張れよと。


「お兄ちゃ〜ん!」
どこかに行っていた少女……いや亜理紗ちゃん(?)がこちらに向かって走ってきた

「この話は内緒にしていてくださいね」

「はい、勿論です」
俺の返事を聞いた看護師さんは
そそくさとその場を立ち去った。