ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 【ペンは剣よりも強し】感想求む!! ( No.16 )
- 日時: 2012/02/09 21:54
- 名前: 清 (ID: vgnz77PS)
「【アクア・イクス】!!」
—
正直、ここで死んでも何も失うものが無いと思った
思ってしまった
むしろ、長い夢から覚めて欲しい
起きて、また泰嗣が家の前で待ってて欲しい
泰嗣……
—
沃哉の左腕は大きな傷を負っていた
血がダラダラと流れていた
『沃哉、大丈夫ですか!?』
「よ、避けれた…間一髪」
異変型剣奴の放った剣は地面に突き刺さり、白く光っていた
ただ、白く光っていた
異変型剣奴は上半身が半壊していただけだった
剣は全て壊れていた
オォォォ…と変な声を出していた
「い、いてぇ…まじでいてぇ…」
「やっぱり試作品は駄目だな…作り直しか…」
「!?」
ヨーク以外の声がした
沃哉はとっさに叫んだ
「だ、誰だ!!」
ヨークは変身を解き、傷つき膝をついて
戦うことのできない沃哉のそばに寄った
「試作品と言いましたが、どうゆうことでしょうか」
「お前は化身だな…失礼、俺の名前はメフメト」
「名前があるのですか」
「大丈夫、ここで殺しはしないし俺、戦うの嫌いだし」
「!!!」
「どうしました沃哉?」
「き、忌鋸!?な、なんでお前が」
「知り合いなんですか?」
「知り合いも何も、こいつ…俺と同じ高校だし、クラスは違うけど…いってぇ…」
そのすらっとした身長のメフメトと言う名の剣人は異変型剣奴に歩み寄って何かをした
するとその剣奴は灰になった
「やっぱ試作品は駄目だな…」
「お、おい!!!忌鋸!!なんとか言ったらどうなんだ!!おい!!」
「……デグノ2世様のようにはいかんのか…?何か言ったか?」
沃哉はもう叫ぶ気力は無かった
血はもう止まりそうだったが、傷が深かった
でももうきつかった
「じゃ、帰るな…またな、墨川」
そういってメフメトと名乗る忌鋸は姿を消した
異変型剣奴は跡形なく消えていった
「くそ…」
—
「りきゅる?なんだそれは」
「回復魔法です」
「俺ケアルとかしかしらねぇぞ…」
「ケアルって…なんですか?」
「いや、いいよ…唱えればいいんだな?」
そういって沃哉は自分の左腕に右手を添えた
沃哉は結局どちらの手でも魔法を唱えることができるようだ
「【リキュル】」
そう言うと沃哉の傷がみるみるうちに塞がっていく
「お、おぉ!!感動だ……ん?」
「傷が塞がるだけですので、消毒しないとアレですから、以後中止するように…」
「ヨ、ヨーク…」
沃哉は回復魔法を覚えた
これを人のために使おうと決めた
筆人なんだから、守る種族なんだから
「莉緒、大丈夫かな…あと、あのガキ」
「エリア5世様に着いてお話しましょうか?」
沃哉は少し躊躇したが
「うん」
ヨークはやっぱりそんなこと言い出すんじゃなかった
というような表情で喋り出した