ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ペンは剣よりも強し ( No.5 )
- 日時: 2012/01/01 00:00
- 名前: 清村 (ID: vgnz77PS)
【門さん】という普通の日常会話には滅多に出てこないワードが
莉緒の口から出てきたッことに沃哉は少し焦りを見せた
「お、おい莉緒、別に普通の門じゃないか」
「違うの、彼女には殺気を感じるの。ねぇリヴァ」
『莉緒!あまり私の名前を口にしないの!』
「ご、ごめん…」
『僕も薄々感じてました、でも言うのはよしました』
「言ってくれよヨーク…」
この状況で、お互いの化身を確認した
もっと早くに確認すべきであったのに
『でも、彼女の化身は残念ながら、』
『敵なのよね…』
「え?」
「まじかよ…どう結うことだよヨーク」
『【剣人】です』
「…」
門はこちらにスタスタと悪いてくる
目が、いつもより黄色を帯びている
「あなた達はこの娘のクラスメイトのようね」
門か、門にのっとった何者かが口を開いた
「あなたは門さんじゃないわね…」
『莉緒!あまり挑発しないように、相手は昨日の敵とはケタが違うのよ』
「わかってる…」
「莉緒、下ってて」
沃哉は前に出る
「ヨーク、頼む」
『…彼女を守るためですからね、分かりました』
「うるせぇよ…」
沃哉の右手が深蒼色の光に包まれ、筆が現れた
「リヴァ、私たちも」
『そうね、守るって決めたもんね』
「うん!!」
莉緒の左手が碧色の光に包まれ、筆が現れた
「殺し甲斐がありそうね!!」
門、いや、もうこの際剣人はこちらを睨みつけている
『相手の出方を観る前に、沃哉は印を書くのです』
「なんでだ?」
『私の【基属性】は【水】です。ここ2日で確認したはずです。水属性の印は書くのが大変=機動力に欠ける、ですから事前に書くんです』
「こうか?」
沃哉は守護の印【止水】を2人を囲むように四方に描いた
『水属性の特徴は、絶大な防御力です。その像魚力を十分に発揮するためには、罠、として使うことです』
「分かった覚えとく」
沃哉は印を書きだした
『莉緒、私の基属性は』
「【風】だよね?」
『そうよ、風属性の特徴は、絶大なその防御の範囲なの』
「でもここ道路の真ん中だよ?」
『印を操るのは莉緒なんだから』
「わ、分かった…」
『後風属性はね…』
「ん?」
門の右手が禍々しい殺気に包まれ
かと思ったら、そこには超長剣があった
おそらく、10mほどある
「殺させ欲しいの!!」
長剣を持ちながら天に向かって狂な言葉を叫ぶ
『彼女の化身がどんなのか分かればいいんですが…』
「戦えば、分かるよ」
沃哉は昨日よりアクティブな目をしている
「殺させてほしいの!!」
門はこちらに向かって走ってくる
長剣は道路の標識やら電柱やらなんやらを切断している
「やべっ!!」
『沃哉!昨夜教えた印を書くんです!』
「あ、あれか!」
トラップとして道路に張り巡らせている印で、完全に彼女の動きを封じるという保証は全くなかった
沃哉は莉緒に呼びかけた
「莉緒!頼む」
「(たのまれた!!)わかった!!守護の印【風塊】!!」
印を書く沃哉の目の前に道路いっぱいに風壁が現れた
「壱式【雷漸】!!」
門の長剣と右手が黒混じりの黄色に光り出した
『沃哉、今です!!』
「発動!!」
ヨークの指示通り、沃哉は印を発動した
すると、走ってくる門の足元が深蒼色に光り出した
連続的に【止水】が発動され、足元から大量の水が噴き出す
「守護の印【禁水】!!」
大量の水でできた箱が門を包み込んで閉じ込めた
「沃哉、やったね!」
「でも、まだ楽観視できない」
『彼女の手を見て、光ってるわ』
ザン!!
肉が切れる音がした
「え?」
沃哉は脇腹から流れ出る血を確認した
「まじ…かっ」
沃哉の膝は地面に着いた
そして地面に倒れこんだ
「沃哉!!沃哉!!」
「殺してやったよ!!あーっはっはっはっは!!」
門は長剣に付いた沃哉の血を見て狂喜する
『沃哉!!大丈夫ですか!?』
返事は無い
「やはり私は最強だ!!イェニチェリ様は健在だよ!!」
「!!」
『イェニチェリ…て言うのね…』
『イェニチェリですか…彼女の化身は…』
「リヴァ、どうしたらいいの?私」