ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

第一話 ( No.1 )
日時: 2011/12/23 21:03
名前: 森尾新他 (ID: nFA1oz.j)


 僕の成績はいつも悪かった。
 僕の性格はいつも悪かった。
 僕の身体はいつも悪かった。
 僕の顔面はいつも悪かった。
 僕の家族はいつも悪かった。
 僕の両目はいつも悪かった。

 ママとパパからいつも「死ね」と言われた。
 お前は馬鹿で不細工で目が悪くて病気持ちで性格まで悪いからさっさと死ねと言われた。
 生きる意味も価値も何もないからさっさと死ねと言われた。
 首つりしろ。
 釜茹でしろ。
 ギロチンしろ。
 引き裂かれろ。
 刺されろ。
 自殺しろ。

 いつもそう言っていた。
 家から帰るとき。家から出かけるとき。掃除を手伝っているとき。
 僕のすぐ隣で言っていた。

 お前は死んでも何回でも生き返るのだから、何回でも死ねと言っていた。
 だから、僕は何回も首つりした。
 だから、僕は何回も釜に茹でられた。
 だから、僕はギロチンで何回も首を落とした。
 だから、僕は何回も縦に引き裂かれた。
 だから、僕は何回も胸を刺された。
 だから、僕は何回も自殺した。

 僕が死ぬたびに、パパとママは喜んでくれた。
 喜んでくれるパパとママが嬉しいから、僕は何回も死んだ。
 涙を流すほど爆笑してくれるパパとママが、死んだ僕の身体を見てくれる。
 死ぬ事は痛いけど、その度に喜んでくれるパパとママの顔が見れるから我慢した。