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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 吸血鬼と暁月【楽園の華 オリキャラ募集中】 ( No.122 )
- 日時: 2013/01/08 22:07
- 名前: 枝垂桜 (ID: a4Z8mItP)
沙雨side
「───雨さん。沙雨さ……沙雨さん!」
「───!」
「最近顔色が悪いですよ? 無理をし過ぎなのではないですか?」
しまった。仕事中だった。
しかも文官までに心配されるなんて。
「大丈夫」
「ですが……」
「左様ですよ、主。少しはお休みになった方が……」
「マーチ。大丈夫。僕は───……」
+ + +
『沙雨……』
「────朱音……!?」
『ごめんね、沙雨。───私、もう神社には帰れない』
「なんで……。朱音……・?」
『私────消えちゃったの』
「朱音………ッッ!!!」
+ + +
僕の拳は何も掴まなかった。
しかも目線の先には神社の天井があった。
「お目覚めですか、我が主」
「マーチ……」
「起きてはなりません。安静になさってください」
「僕はなんで寝ているんだい?」
「覚えていらっしゃらないのですか? 王宮でお倒れになったのです。だからおれほど、体調には気をつけて下さいと申しましたでしょう」
「すまないね」
しかも嫌な夢を見た。
最近朱音の夢を頻繁に見る。
なんだか嫌な胸騒ぎがするな。
「主。こんな時にお伝えするのも何ですが、朱音さんの手掛かりがつかめました」
「───!」
「つい先ほど、朱音さんの気配を拾ったそうです。今、それを追っています」
「そうか……」
───朱音がいなくなって、朱璃も出て行った。
朱璃まで帰って来なかったら、どうしたらいい?
僕は、再び人を愛す事は出来ない気がする。
否、他の人を愛さない。
僕は朱音だけ想い続けていたい。それがどんなに自己中名ことであっても。
だから無事に帰って来て───愛しの二人よ。
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