ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 吸血鬼と暁月【楽園の華 オリキャラ募集中】 ( No.123 )
- 日時: 2013/01/11 23:40
- 名前: 枝垂桜 (ID: hVaFVRO5)
「イヴ?」
次の日の日中、ふと気が付くと、いつも傍にいるイヴの姿がない事に気が付いた。
どうしたのだろうと、屋敷の中でイヴが居そうな場所を探したが、その姿はどこにもなく不思議に思った。
イヴは一体どこに居るのか? と思考を巡らしていると、裏庭からイヴの声と、もう一人知らない声が聞こえてきた。
+ + +
『なんかくさいと思っていたのよ。やっぱり貴方?』
「私は貴方様に用はございません。私は朱璃様に用があるのです。そこをどけてください」
『どける? ……いや、と言ったら?』
「あんた様を踏みつぶして行きます」
『あら、意外にも面白い子ね』
「イヴ」
何をしているのかと思えば、見知らぬ相手を挑発していた。
「君は?」
イヴが話していた者に視線を向けると、スッと相手が頭を下げた。
「私は鏡氷ミラル、鏡の中に住む精霊です」
「精、霊?」
「はい。幽霊界の王、ファウスト王より貴方方を手伝うようにと、派遣されました者でございます」
「ファウストおじさんが?」
朱璃は小さい頃からファウストに実の子のように可愛がってもらっていた。今では王という身分の高さが分かるものの、幼い頃は分からず「ファウストおじさん」と呼び続けていた。
直そうと一度試みたのだが、結局「無理をするな」とファウストに言われ、現在もこう呼ばせてもらっていた。
「赤毛……」
朱璃がぼそりとつぶやいた。
短い赤毛の後ろ髪は三つ編みに束ねられており、瞳は方向によって色が変わり美しい。
白いパーカーに、黒いショートパンツを履き、靴はダークブラウンのブーツというその姿からは、男か女か分からない。
ただ、とても美しい。
「朱璃様、手助けと言っても、情報を集めたりなどしかできません。どうか、私をお使いください」
───正直不安だ。
自分は沙雨ほど大きい人ではないし、沙雨ほど罪も抱えていなければ、積み荷もない。
しかし沙雨はその罪があったからこそ、二人の悪魔を従え、死神を従え、雪女を従え、三本指の中に入る大きな魔導書を読む事が出来、更には天候の神まで手中に入れていた。
朱璃には、そんな器などない。
しかも朱璃が契約した悪魔は酷く困った性格だ。一人でも手間取っていると言うのに、二人など。しかも派遣されたとはいえ精霊だ。
魔族でありながらも、どこまでも清い生き物である。
悪魔や死神という魔族という魔族に値する人たちを従えていた沙雨とは条件が違う。
「僕は……」
「貴方は力を手に入れるべきだと、お告げが出ました。だから王は私を貴方の元に送った。
───この悪魔は気に入りませんが、貴方の為ならばお供します」
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不思議の国のなんとかさん>やっとミラルさんを出せました! お待たせしてすみません。
キャラが壊れていないか心配でばくばくしました。
キャラ提供、本当にありがとうございました。