ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ちょっと怖い話(短編集) ( No.1 )
- 日時: 2012/01/14 17:03
- 名前: コレコレ (ID: v8DmNHeA)
- 参照: http://pasusitai
ナンバ−1「インスタント彼女」
このお話は、近未来で親の金でアパ−ト暮らしを、している男の話です。
男は無職で彼女いない歴23年という駄目な独身です。
ある日、彼がインタ−ネット通販で買い物をしていると、あるものを見つけました。それは、『インスタント彼女』という、今人気のアイドルのクロ−ンを作れるという夢のような商品が売っていたのです。男はそんな商品があるのかと、半信半疑でその商品を買ってみることにしたのです。
商品が家に届くまで5日間かかりました。届くまでの間、男はずっとアパ−トの部屋で期待で胸を躍らせていました。
そして、やっと届いた商品の箱を、男は待ちきれないという顔で乱暴に開けました。
そして説明書を手に取るとこう書いてありました。
お風呂に42度でお湯を沸かしてください。沸いたらその中に『インスタント彼女』を包みに包んだままお湯につけてください。
3分経ったら出してください。これで彼女が出来上がります。
男は説明書を読み終えると、お風呂を沸かし、箱の中に入った薄気味悪い布に巻かれた代物を42度のお湯にそっとつけました。
彼女の体がみずみずしさを取り戻し始めた頃です。男が時間を計るために、部屋に戻ると友達からパソコンでメ−ルの着信があったので、しばらくそれを読んでいました。
すると、後ろからぶよぶよにふやけた腕が男の首に絡みつきました。
「・・・・・・・・っ!!!!???」
男は驚きました。そして、パソコンのデスクトップ画面に反射した顔はニイッと笑っています。
「だ〜〜〜れだ?」
男は声に反応して振り返りました。すると、男は顔を真っ青にして目を見開いて硬直してしまいました。何かとんでもないものを見たような顔です。
『インスタント彼女』の説明書にはまだ続きがありました。
注意
3分間を過ぎると腐敗しますので、ご注意ください。また、腐敗した『インスタント彼女』は返品できませんので、ご承知ください。
「ぎゃ---------------------!!!」
男の声は薄暗いマンションの部屋に、空しく響きました。
皆様も『インスタント類』はちゃんと、説明を読んでから作るように心掛けましょう。
END