ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ミィツケタ…【5話更新!!参照100突破!!】 ( No.16 )
- 日時: 2012/03/28 12:46
- 名前: 久蘭 (ID: uWXzIoXb)
6話
「おいしかったーっ!!」
光里が満面の笑みで言った。
「いいよな、サイ●って。安いし、うまいし。」
日室君もうなづく。
家の近くにあるサイ●でお昼をすまし、私たちは駅に向かって歩いていた。駅の近くにゲームセンターがあるのだ。
「俺、この間さー…あのゲーセンでUFOキャッチャーやったんだけど、狙ったの獲れなかったんだよなー…。」
ヨッシーが言う。すると、松原君がそれに応えた。
「何獲ろうとしたん?」
「ん?ああ…と。」
ヨッシーが何かのアニメのキャラクターの名前を言った。
「あれ、むずくね?形的に…。」
「俺は獲ったで。」
「マジで!?」
「ほな、とったるわ。俺、UFOキャッチャー得意なんやで。」
松原君はにっと笑う。
「サンキュー松原!!」
「その代わり、今度なにかおごってぇな。」
「オーケーオーケーオーケー牧場!!」
…ヨッシー、古っ…
「そやなぁ…寿司でもおごってもらおうかな。」
「オーケーオーケーオーケーb…え!?」
「冗談や。」
ヨッシーと松原君。意外と、いいコンビかも。
「私がやる!!」
「じゃあ、私見てるね。」
男子軍から離れて、私と美羽と光里はプリクラを撮りに来た。
撮り終えて、落書きタイム。私と光里がすることになった。
私はまず、3人で横一列に並び、笑顔でピースサインをしているのを選び、ひらがなのデコレーションで名前を入れる。
「ゆうら」「みう」「ひかり」
そしてその上に今日の日付スタンプを入れる。
「ちょ、ちょっと光里ーっ…!!」
美羽の声でふっと光里のほうを見ると、光里は3人で変顔をしているのに落書きをしていた。
全員、髪は金髪、リボンやイヤリングまみれ。その上に光里は手書きの虹色のペンで「storage!!」と綺麗な筆記体で書いた。
「筆記体上手いのは認めるけど…ひどぉ。」
「ま、いいじゃん♪面白いし。」
光里はそう言って、満足そうに次の画像をチョイスする。
私はあきれ顔で笑って、光里と同じように次の画像をチョイスした。
落書きを終え、完成するのを待つ。その間、光里は少しいたずらっぽい笑みを浮かべていた。
多分、最後に私と美羽を落書きコーナーから閉めだして落書きしていたプリだろう。よほど自信があるのか、さっきからにやにやしっぱなしだ。
と…。
「あ、出てきた。」
美羽が言って、出てきたプリを取り上げた。そして…。
「えーっ…光里ぃ…。」
「へへっ、どーだっ!!」
「どれどれ?」
私が覗き込むと、光里は美羽からプリを取り上げ、私に渡した。
「これこれ!!」
光里が一つのプリを指さす。
画像の左下に私が笑顔で、右下に美羽が目を細めた笑顔でピースサインで、右上に光里がウィンクをしてうつっている。左上の空いているスペースには「みんなでひとりかくれんぼ」という手書きの文字。ところどころにドクロ・おばけなどのスタンプがちりばめられている。
「うわ…」
光里、よっぽど楽しみなのだろう。美羽は少し暗い顔をしている。あーあ、もう。また美羽のテンションが下がっちゃった。
「それもいいけど、これも傑作だよね〜。」
私は「storage」のプリを指さした。
…話題を変えたかった。どうしてだか、わからないけれど。
モウイイカイ
マアダダヨ
モウイイカイ
モウイイヨ
ミィツケタ…