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Re: ミィツケタ…【8話更新!!参照100突破!!】 ( No.23 )
日時: 2012/04/03 10:58
名前: 久蘭 (ID: uWXzIoXb)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode

9話

「どういうことだよ!?」
日室君が大声で言った。私は何とかして、平静さを保とうとした。
「急に、歌声が聞こえなくなって…あ、ヨッシーが歌ってたの、知ってる…?」
それでも、声が震えてしまう。日室君はしっかりとした声で応えた。
「ああ。で、急に聞こえなくなったから、おかしいなと思ってケータイに電話してみたんだよ。そしたら、着信音が鳴りやまなくて…」音のする方に行ってみたら…。」
「五十嵐がいなくて、ケータイだけが残ってた…ってことか。」
巧が言う。みんな、黙り込んでしまった。
「…悪ふざけとちゃうんか?ほら、急に歌うのやめて、ケータイをわざと落として、着信音鳴っても鳴りやまなくて…そうしたら、なんかホラーな感じがでるやろ。ケータイ持ってこういうんも、そういう狙いがあったんちゃうか?」
「そうだといいけどね…。」
松原君の言葉に、光里が心配そうに返す。確かに、そういう可能性もあるけれど…。
「…どうするの?」
「探すにきまってr「くくくっ…」
「「「「「「…え!?」」」」」」
ふいに、どこからか笑い声が響いた。この声は…
「…ヨッシー!?」
私が言うと、ふいに階段から、ヨッシーが頭をだした。…階段の下の方でしゃがみ込んでいたらしい。
「作戦成功っ☆」
「死ね!!」
日室君がヨッシーに向かって叫んだ。途端、安堵した空気が流れる。なんだ、やっぱり悪ふざけだったんだ。よかった…。
「みんな騙されてやんの〜ぎゃははは!!」
「ヨッシー^^」
「ん?何鈴野?」
「死んで★」
「今星が黒かったな。」
いつものふざけた空気に戻る。それで気づいた。いつも私たちが笑ってられるのは、ヨッシーのおかげなんだって。
「さーてっと、皆みぃつけた!!」
「「「「「「…は?」」」」」」
「おいおい〜まだかくれんぼ続行中だぜ?」
「「「「「「…あ。」」」」」」
そうだった…。
「次の鬼はじゃんけんで決めろ〜。」
ヨッシーは愉快そうに言う。あーあ。はめられた…。
「はあ…じゃ、やるぞ。」
日室君が言う。私たちはヨッシーを除く6人で円になった。
「「「「「「最初はグー、じゃんけんぽい!!」」」」」」
「負けたー!!!!!!」
なんと結果は一人負け。負けたのは松原君だ。
「はあ…しゃあないな…んじゃ、数えるで。せーのっ!!」
「「「「「「逃げろー!!」」」」」」

…今になって思えば、なんでおかしいと思わなかったのか不思議になる。
2階にあがる階段は一か所。幅は1.5人分くらい。光里、巧、松原君は1階に隠れていたため、私たちの叫び声を聞きつけて2階に上がってきた。その時、3人のうち誰も隠れていたヨッシーに気がつかなかった…ことになる。でも、そんなことはありえない。
でもあの時は、とにかくヨッシーが戻ってきて安堵していた。
…安堵しちゃいけなかったんだ。
本当の地獄は、ここから始まってしまったのだから…。

モウイイカイ
       マアダダヨ
モウイイカイ
       モウイイヨ
ミィツケタ…