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Re: ミィツケタ…【13話更新!!参照200突破!!】 ( No.35 )
日時: 2012/07/17 13:55
名前: 久蘭 (ID: uWXzIoXb)

15話

「…どうすればいい?」
絶望感にさいなまれながら、私、光里、巧、日室君はリビングに戻った。
巧の疲れ切った質問に答える者は、誰も、いない。
「…とりあえず、単独行動はなしだ。ぬいぐるみは姿を変えられるだろう?俺たちの誰かになりすます危険性がある。危ない。」
「「「…うん。」」」
しかし、4人で行動していても、何も変わらない…。そんな気が、していた。
気がつくと、口が動いていた。
「探さなきゃ。…手分けして。」
「危ない!手分けなんてしたら…!!」
「2人、2人は?それならなんとか…。」
「俺の場合を思い出せよ。2人でも危ない。下手すれば俺と松原、両方さらわれてたのかもしれないのに。」
「でも!…2人は一緒に行動してたわけじゃないでしょう?私が言ってるのは2人一緒に行動するってこと。だから!」
最後は叫び声に近かった。自分の声の大きさに驚く。
3人は黙りこくってしまった。ああ、どうしよう、どうすれば…。

「…いいんじゃないか。」

「「「!?」」」
そう言ったのは巧だった。
「身を守るのも大切だ。でも、五十嵐、松原、小宮さんをたすけることも大切だ。守ってるばかりじゃ、何も変わらない。…ここは思い切って、攻めてみないか?」
「でも…。」
光里が日室君の顔色をうかがいながらつぶやく。日室君は黙ったままだ。
「「「…。」」」
私、巧、光里は、日室君をじっと見つめる。
顔をあげ、日室君は口を開いた。

「…やってみよう。」

「…結良。」
「うん?」
「絶対、見つけ出そうね。美羽も、ヨッシーも、松原も。」
「うん。」
固い表情の光里に笑いかける。そうだね、光里。見つけ出さなきゃね。
あのご、私達は2グループに分かれた。私と光里、巧と日室君。お互い、懐中電灯を一つづつ持って。
「…でも、もし美羽たちがいるとしたら…どこだと思う?」
「私達に見つかりにくいところ…だよね。普通に考えると。」
「でも…そんなところ、どこだろう?結良でさえもわからない場所。気付かない場所。」
「そんな場所…。」
あるわけない。
あるわけ…ない?
「…。」

…ああ。
あるね、そんな場所。

私が10歳以前には出入りしていて、10歳以降には出入りしていない場所があれば、だけど。

光里の神妙な顔つきを見る。
ごめんね、光里。私には…わからない。
「でも、美羽はどうしてあんなことしたんだろう。」
その問いの答えならわかる。私は即答する。
「何かに操られてた。おそらく、ぬいぐるみに。」
「ぬいぐるみに…?」
「うん。美羽、言ってたでしょ。『呼んでる』って。ぬいぐるみが美羽を呼んだんだよ。さらうために。」
「…でも、だったら、日室にも同じことができたんじゃない?同じように、操ればよかったのに。結局ぬいぐるみは、私達が来たせいで日室をさらい損ねちゃったわけでしょう?」
「そうだね。どうしてだろう…。」
謎が多すぎる。このかくれんぼは。
私は目を閉じてみた。
お願い。私が望むのは、1つ…ただ1つだけ。
お願いだから。
みんな、私達、鬼の負けでいいから。
かくれんぼしないで、出てきて。
みんな、戻ってきてよ…!!

モウイイカイ
       マアダダヨ
モウイイカイ
       モウイイヨ
ミィツケタ…